「嫌われたくない」歯科医院長が陥りやすい“優しさの落とし穴”とその解決策

「○○さん、
最近ちょっと片付けが
雑になってきたな…」

そう気づいても、
つい言葉を飲み込んでしまう。

「注意したら、空気が悪くなるかな」
「せっかく頑張ってるのに、
モチベーションを下げたくない」

スタッフのことを思えば思うほど、
言いたいことが言えなくなる。

診療が終わり
ひとりで残って片付けをしながら、
「自分が我慢すればいいか」と思う一方で、
どこかモヤモヤが積み重なっていく…。

実はこの『優しさ』が、
歯科医院長の心を苦しくさせる
原因のひとつ。

今回は、多くの歯科医院長が悩む
スタッフへの接し方について、
「嫌われたくない」から「信頼されたい」へ
シフトするための考え方
をお伝えします。

目次

『嫌われない院長』を目指すと、信頼を失う理由

多くの歯科医院長は、
スタッフと良い関係を築きたいと考えています。

厳しくするのではなく、
できるだけ気持ちよく働いてほしい。

その気持ちは間違いなく
『優しさ』から来ているものでしょう。

しかし「嫌われたくない」を軸にしてしまうと、
歯科医院全体のバランスが
少しずつ崩れていきます。

たとえば、

  • 遅刻が増えても注意できない
  • 仕事の分担がかたよっても、
    誰かが不満を言い出すまで様子を見てしまう

すると、
職場には『頑張っている人ほど損をする
という空気が生まれてしまいます。

院長が意図していなくても、
『言わない=見て見ぬふり』と
スタッフに受け取られてしまい、
結果的に『優しい院長』ではなく
頼りない院長』と思われてしまうのです。

これは本当に
もったいないですよね。

注意=怒るではない!伝え方で印象は変わる

「注意したら相手を傷つけてしまう」

そう感じている院長も少なくありません。

でも、本来「注意」とは期待のあらわれです。

たとえば、
いつも丁寧に仕事をしているスタッフが
ミスをしたとき、
「今日はどうしたの?」と声をかけるのは、
その人に期待しているからこそ。

大切なのは、感情的に怒ることではなく
どうすれば良くなるかを
一緒に考える姿勢を見せることです。

実際に
注意されたけど、
先生が真剣に見てくれているのが伝わった

と感じるスタッフは多くいます。

このように、嫌われるどころか
むしろ信頼が深まるケースも珍しくないのです。

ポイントは「なぜ伝えるのか」
という意図を明確にすること。

「あなたに成長してほしいから」
「チームのために必要だから」
という気持ちが伝われば、
注意はプラスに変わります

スタッフは厳しさよりも一貫性を見ている

スタッフは『厳しい院長』よりも
『一貫性のある院長』を信頼する傾向にあります。

あるスタッフには厳しく、
別のスタッフには甘い。

このような差があると、
スタッフは混乱してしまいます。

「自分だけ言われる」
「あの人は何も言われない」
という不公平感は、
職場の空気を悪くする大きな原因
です。

一方、ルールを明確にして、
誰に対しても同じ基準で接する院長は
「厳しいけど信頼できる」と評価されます。

言動の基準を『その場の空気』ではなく
『歯科医院の方針』に置き換えるだけで、
注意の言葉が『人を責める言葉』から
『チームを守る言葉』に変わる
のです。

誰にも本音を話せない院長の孤独を解消するには

スタッフに嫌われたくないという思いから、
誰にも本音を話せずに抱え込んでしまう院長も
いらっしゃいます。

  • スタッフに弱音を吐けない
  • 家族にも仕事のことは話しにくい
  • 医院の中心で頑張るほど、孤独を感じてしまう

そんなときこそ、
『優しさの形』を見直してみてほしいのです。

相手を甘やかすのではなく
信じていることを伝えてみましょう。

注意もアドバイスも、
最初の一歩は『信頼』から始まります

また、同じ立場の院長仲間と交流したり、
外部のコンサルタントに
相談したりするのもひとつの方法です。

一人で抱え込まず、
『言える場所』を持つことが、
健全な歯科医院運営につながります。

『好かれる院長』より『尊敬される院長』を目指そう

あなたの歯科医院の雰囲気を良くしたいなら、
全員に好かれる院長を目指す必要はありません

むしろ「信念を持っている」「ブレない」
と思われる方が、
結果的にスタッフからの信頼は厚くなります

一時的に「ちょっと厳しい」と思われても、
時間が経てば「あのとき言ってもらえてよかった」
と感謝されることも。

そんな関係を築けた歯科医院は、
長く安定して成長していきます。

大切なのは、
その場の人気を取ることではなく、
スタッフの成長と

あなたの歯科医院の未来を見据えた言葉をかけること

それこそが『尊敬される院長』への第一歩です。

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