長年診療台の前で患者さんと向き合い、
スタッフとともに歯科医院を支えてこられた
歯科医院長へ。
毎朝のユニット準備、患者対応、
治療計画の立案……
日々の業務の中で、
ふとこんな想いが頭をよぎることは
ありませんか。
このまま無理をして
仕事を続けていいのだろうか。
体力の衰え、判断力の低下、
疲労の蓄積。
自分の老いを実感する瞬間は、
誰にでも訪れます。
引退や老いについて考えることは、
決してネガティブなことではありません。
それは歯科医院の未来と、
ご自身の人生の両方を大切にする
前向きな行動です。
本記事では、
院長としての引退を考える際に、
どのように自分の老いと向き合い、
歯科医院とご自身を守っていくか、
具体的な方法をお伝えします。
自分の体と心の変化を素直に受け止める
「まだまだ大丈夫」と思っていても、
無理を重ねると
体や心からサインが現れます。
- 疲れを翌日に持ち越すようになった
- 判断ミスや物忘れが増えた
- 患者さんとのコミュニケーションに
以前ほど気力が続かない
こうした小さな変化に目を背けず、
現状を素直に受け止めることが第一歩です。
無理を続けることで、
患者さんやスタッフ、自分自身に
負担をかけてしまうリスクがあります。
自分の老いを認めることは、
適切な引退準備を始めるための
重要なステップなのです。
引退は「終わり」ではなく「新たなステージ」への移行
引退という言葉に、
寂しさや不安を感じる方は多いでしょう。
しかし引退したからといって
「何もやらない」わけではありません。
経験と知識を活かした新しい形での
歯科医院への関わり方があります。
- 経営や歯科医院の
方向性に関するアドバイザー - 若手歯科医師やスタッフへの
技術指導・メンター - 地域や患者さんとの関係性の
維持・橋渡し役
スタッフと共に引退後の体制を構築する
院長ひとりで引退を抱え込まず、
スタッフとともに未来の体制を描くことが
重要です。
- 後任歯科医師の育成計画または
採用スケジュール - 経営権や診療方針の引き継ぎ
- 患者さんへの告知や対応
- スタッフの雇用継続に関する方針
スタッフに早めに相談し
意見を聞くことで、
院長の心理的負担も軽減されます。
スタッフにとっても、
院長の考えやタイミングを知ることは
大きな安心材料となるでしょう。
ひとりで悩まず、
チーム全体で次のステップを考えることが、
歯科医院全体を守ることにつながります。
引退後の生活設計と健康管理
引退後の生活を見据えて、
体と心のケアを始めましょう。
診療に追われてきた日々から
少し距離を置き、趣味や家族との時間、
自分の健康を優先する。
これも引退をポジティブに捉える
重要な要素です。
- 定期的な運動習慣と体力維持
- 睡眠の質と食生活の見直し
- 趣味の時間や新しい学びの機会
こうした時間を確保することで、
引退への不安が和らぎ、
老いとの向き合い方に余裕が生まれます。
患者さんへの感謝とビジョンの承継
長年の診療で築いた患者さんとの関係は、
かけがえのない財産です。
- 院内掲示やニュースレターでの
感謝メッセージ - 後任医師・スタッフの丁寧な紹介
- 小規模なイベントの開催
さらに重要なのは、
院長が掲げてきた診療理念やビジョンを
スタッフや次世代に確実に承継することです。
あなたの想いが次世代に受け継がれることで、
歯科医院はさらに強く、
温かい場所として存続していきます。
老いを恐れず、前を向いて
老いは人生の自然なプロセスです。
診療の現場から段階的に距離を置くことを
恐れる必要はありません。
むしろ、自分の体と心を大切にし、
歯科医院の未来と
スタッフの成長を見守ることは、
院長としての新たな責任です。
自分のペースで、
できる範囲で歯科医院の未来を描く。
それが院長として贈る最後の、
そして最高の贈り物となるでしょう。





