東京都葛飾区小岩で事業承継した歯科医院の売り上げを、たった1年で年商1億円以上に引き上げ、2つ目の医院である横浜市戸塚区で、業界初の『歯科衛生士へのチェア貸しシステム』をスタートさせようとしているユニークな院長先生がいます。
斬新なアイデアと実績で、業界を問わず注目を集めているのは、
「上場企業の部長クラスの年収を得る歯科衛生士をつくりたい」
と野心を語る、
医療法人社団栄昂会 理事長 中原維浩 先生です。
中原先生が熱望する
「歯科医院の待合室を地域の健康のハブステーションに」
「歯科医療と歯科衛生士の社会的地位向上へ」
という理想。
この世界観を共に叶えていきたいハノワが、独自の視点でインタビューをしてみました。
動画も配信しています
今回の内容を、中原先生ご自身のお言葉で語ってくださっています。
テキストだけでは伝わらない、中原先生の魅力がたっぷり詰まっていますので、ご一緒にどうぞ!
院長先生プロフィール
中原 維浩 先生
細田歯科医院(東京都葛飾区)院長
戸塚駅前トリコ歯科医院(横浜市戸塚区)院長
DECT株式会社 代表取締役社長
学生時代のアルバイト先である大手靴販売専門店「ABC-MART」で、全国トップクラスの販売実績を挙げた経験をもとに、『待合室マーケティング®︎』という新しいマーケティング戦略を提唱。
継承1年未満で、細田歯科医院の年間売上1億円を達成。月8,000円だった物販が半年後には100万円に。
日本各地からセミナーの依頼があとを絶たず、海外からも注目を浴びており、見学者が殺到している。
著書:「物販だけで毎月100万円売り上げる Start up!! 待合室マーケティング®︎」(デンタルダイヤモンド社)
ヒトが大好き!
ハノワ編集部の吉田樹(いつき)です。
特技は “相手の魅力ポイントを見つけること” と “挑戦を全肯定して応援すること” 。
「指導者や講師ではなく、普通の歯科衛生士に光を当てるメディアを作りたい」
「彼女たちの魅力を引き出して挑戦を応援できる会社でありたい」
というハノワ代表 新井の言葉に共感し、お手伝いをさせていただくことになりました。
ハノワのサービスと同じく、歯科医院や院長先生、歯科衛生士さんたちに寄り添いながらも、純度の高い記事をお届けしていきます。
「自院のこんな取り組みを紹介したい!」
という先生は、ぜひお話を聞かせてください!
現在のご活動について
まずは、中原先生の現在のご活動についてお聞かせいただけますでしょうか?
2つの歯科医院と、1つの株式会社を経営しています。
歯科医院は、
2016年に父親から継承した、東京都葛飾区にある「細田歯科医院」と、
2018年に開業した、横浜市戸塚区にある「戸塚駅前トリコ歯科医院」です。
また、歯科医院における事務長業務やマーケティングに関するサービスなどを「DECT株式会社」で提供しています。
中原先生は、全国各地のセミナーに引っぱりダコだと伺っていますが。
ありがたいことに、歯科だけだと3年間で260院ほど、医科なども含めると300院以上にセミナーなどで訪問させていただいています。
すごい数で想像が及びません…。
中原先生のご活躍のフィールドは、歯科業界だけではないのですね。
はい。私自身の活動は3年前から歯科業界にとどまらず、医科や薬局、獣医業界、鍼灸整体院や美容院の待合室なども手がけているんです。
幅広さの想像を超えていました……。
さっそく「待合室」というキーワードが出ましたので失礼いたします。
中原先生が2020年1月にご出版された「物販だけで毎月100万円売り上げる Start up!! 待合室マーケティング®︎」を拝読いたしました。
うわぁ、本当ですか!
すごく嬉しいです!ありがとうございます!
待合室から始まるマーケティングについて、理解しやすかったです。
特に、図や写真がたくさん使われていたり、具体的な事例が紹介されているおかげで、「自分もすぐに実践できそう!」という気になりました。
そう言っていただけると何よりです。
今回のご出版にあたり、気をつけられたことなどを教えていただけますか?
弊著「物販だけで毎月100万円売り上げる Start up!! 待合室マーケティング®︎」は、デンタル歯科系の出版社であるデンタルダイヤモンド社さんから出版したので、 歯科に寄せた内容にしています。
ただ先ほど申した通り、私自身の活動は歯科業界にとどまりません。
だからこそ、他の業界の方にも読んでいただけるような情報を掲載しています。
歯科に明るくない私でもスルスルと理解できたのは、異業界の方にも読んでもらうことを想定して執筆されたからなのですね。
個人的には、整体院を経営している知人に勧めたいなと感じました。
ありがとうございます。
整体院や鍼灸院は特に相性が良いので、ぜひとも取り入れていただきたいですね。
歯科業界における問題と解決方法
書籍のタイトルにもなっていますが、中原先生が提唱されている『待合室マーケティング®︎』については、歯科の現場において、その重要性を肌で感じておられるのでしょうか?
はい、そうですね。
全国を訪問させていただいている中で感じるのは、歯科も含めた医療業界の方は、総じて「伝え下手」だということなんです。
医者や歯医者は職人なので、口よりも自分の “腕” で示す人が多いんですよね。
「伝え下手」であることと『待合室マーケティング®︎』は、どのようにつながるのでしょう?
歯科も医科も、説明が患者さんに「伝わる」ということが重要な業界なのですが、「伝わりきれていない」ケースが本当に多いんです。
例えば、予防型の医院を目指して「予防歯科の重要性」を伝えたとしても、伝わりきれていなかったらどうでしょう?
患者さんとの間にはギャップが生まれ、メインテナンスに来ていただくことも、ご自身でセルフケアしていただくことも叶いません。
それでは、いつまで経っても理想的な医院経営はできない ——。
でも待合室を活用すれば、その患者さんとのギャップを埋められるんです。
それを私は「待合室マーケティング®︎」と名付けました。
たしかに患者としては、「予防歯科の重要性」の説明が腑に落ちていないと、その日限りになってしまいそうです。
では中原先生は、その『待合室マーケティング®︎』の具体例として “物販” をご提案されているということですか?
おっしゃる通りです。
まずは、「なぜ物販なのか?」という点をお伝えします。
現代の日本人で、症状がなくても歯医者に行く人の割合は、全体の約20%ほどです。
ということは、残りの約80%の人たちは症状が出てからでないと歯医者に行かないんですよね。
そこで、この「約80%の人たち全員がやっていることは何だろう?」と考えたところ、『歯磨き』だと気づきました。
だから、歯磨きのためのツールである “歯ブラシ” の適材適所(オーダーメイド)な処方をキッカケに、歯医者に来る人を増やせるんじゃないか?という発想に至ったのです。
そういえば、歯ブラシはスーパーやドラッグストアでしか買ったことがないです……。
そういう方が多いですよ。
日本でのオーラルケア関連製品は、約4,000億円の市場規模だと言われているんですが、歯科医院の売り上げは約1割ほどしかありませんから。(※)
でも、スーパーやドラッグストアには、自分に合った歯ブラシについてアドバイスをしてくれる専門家はいないですよね。それは本当に(もったいないなぁ…)と感じるんです。
薬を処方してもらおうと思えば処方料がかかりますが、歯科医師や歯科衛生士に歯ブラシを選んでもらうのは無料です。
めっちゃお得だと思いませんか?
※参考文献:オーラルケア関連市場マーケティング総覧 2016. 富士経済, 東京, 2016.
本当ですね!餅は餅屋と言いますが、『口のことは歯科医院にお任せする』と考えるのが自然なことのように思えてきました。でも、実際にそうしている人は少ない……。
そうなんです。
それが先ほどお話した、「伝わりきれていない」ことが原因だと考えています。
ひとつイメージしてみてください。
例えば、治療が終わって案内された待合室の目のつく場所に、歯科医師や歯科衛生士が話していた「予防歯科」について詳しく説明する掲示物があったら、吉田さんはどうされますか?
自然と読んでいると思います。
ですよね。
同様に、適切な説明書きとともに “オススメの歯ブラシ” が綺麗に陳列されていれば、手に取る方は多いです。
つまり、待合室は「伝え下手」な医療人のフォローをする役割を担ってくれると言えます。
なるほど!
患者の興味に添うような動線が引かれていれば、自然と行動するのですね!
どうして今まで気づかなかったのだろう?と感じる視点です。
『健康観』が生まれたキッカケ
ところで、
細田歯科医院は、地域の方々から『健康の神様』と呼ばれていると伺いました。どんな理由からなのでしょうか?
私には、歯科医院の待合室を「地域の方々の健康のハブステーションにしたい」という目標があります。当院から内科や皮膚科、整形外科などを紹介するというイメージです。
そのための第一段階として、待合室では靴下やサプリメントなど『健康』にまつわるグッズを販売しているので、それが理由だと思います。
えぇ!?そんな歯科医院は聞いたことがないです(笑)まるで雑貨店のようで、毎日通いたくなりますね。
そう感じていただけたなら、狙い通りです。
地域の方々の健康の拠り所となるように、気軽に足を運んでもらえるような『仕掛け』をたくさん用意しているので。
本当の意味での健康とは、患者さんが自ら「健康になりたい」と思えることが重要で、私たちが育てる必要があると考えています。
私はこのことを、患者さんの『健康観をつくる』と呼んでいます。
中原先生がそこまで『健康観をつくる』ことにこだわる理由は、何でしょうか?
私は歯科大学卒業後、ステップアップのために世界14か国で歯科医療を学びました。
なかでも「予防大国」と言われるスウェーデンの研修に行ったときの衝撃がキッカケで、『健康観をつくる』ことを大切に考える価値観が生まれたのだと思います。
スウェーデンでの研修は、中原先生の価値観を変えるほどだったのですね。
実は……、
スウェーデンへはインプラントの高い技術を見れると期待して行ったんですが、巷で上手いと言われている日本の歯科医師の方が、よっぽど技術レベルは高いと感じました。
臨床の技術を高めることに注力していた当時の私は、本当にガッカリしたのを覚えています。
でも同時に、「なぜ予防大国になれたのだろう?」という疑問が湧きました。
私が研修を通して得た答えは、スウェーデンの歯科業界は『プロケア』と『セルフケア』のバランスがうまく取れているからだということです。
日本は『プロケア』と『セルフケア』のバランスは取れていないのですか?
当時の日本の予防歯科と言えば、歯科医院へ来てはじめて処置してもらえる『プロケア』に重きを置くものが主流だったんですよ。
言われてみると、「予防歯科=歯科医院で処置してもらうもの」と捉えていました。
日本人の多くは予防歯科の教育を受けてきていないので、そう考えるのは仕方ないと思います。
だからこそ素晴らしいなと感じたのは、スウェーデンでは、幼少期のうちに予防歯科の重要性が全国民へ伝わっていることですね。
技術ではなく「予防を大切にする文化」ができていることは、日本との大きな違いです。
『セルフケア』の重要性は理解できたのですが、1つ素朴な疑問があります……。
セルフケアをする人が増えると、歯科医院に通う人が減って売り上げが落ちる不安はありませんか?
私はそれは「絶対にない」と考えています。
マズローの欲求5段階説に如実に表されているように、私たち人間は、ある一定の基準に達すると、そこに飽き足らず次のレベルを目指したくなるものなんです。
美容整形がわかりやすい例ですが、歯科で例えてみましょう。
- 銀歯だった患者さんが白い歯になると、はじめて自分の『歯並びの悪さ』が気になってきます。
今まで銀歯を気にするあまり見えていなかったところが、気になり出してくるのです。 - すると次は、歯並びを直すために『矯正』したくなってきます。
- 矯正すると、今まで気にならなかった『歯と歯のつまり』が気になり出してくるのです。
(続く……)
つまり、患者さんの健康観が高まれば高まるほど、次のステップを目指したくなるので、需要がなくなることはないのです。
なるほど、自己実現のための人間の成長意欲には上限がないのですね……。とてもわかりやすい例えに納得しました。
歯科スタッフに求められる新しいスキルとは
とはいえ、予防意識が薄い日本人に『セルフケア』の重要性を説くことは大変そうだと感じます。
それでも中原先生が、毎月100万円以上のセルフケアグッズの売り上げを継続されている理由は何でしょう?
理由は大きく分けて2つあると思います。
1つ目は、冒頭でご紹介くださった『待合室マーケティング®︎』の実践です。
詳しくは割愛しますが、効果的なディスプレイの構築や興味を引くようなPOPの作成など、改善を重ねています。
2つ目は、こちらも前述にありますが、患者さんへ「伝わる」工夫をしていることです。
私自身がもともと、定期的に病院へ通うタイプではないので、「3ヵ月後にまた来てくださいね」と言われても、行きたくない患者さんの気持ちはよく分かるんですよ。
だからこそ、「どうすれば伝わるか?」という課題にはトコトン向き合いました。
そこで考えたのが、『NLP』や『コーチング』のスキルを取り入れて患者さんと対話する方法です。
日本の歯科医師での有資格者は3名ほどと言われる『メディカルコーチ』の資格も取得しました。
興味深いです。
NLPやコーチングに共通するのは、対話や傾聴を通して信頼関係を築き、相手の自立性を促すことでしょうか。
そうですね。
2030年問題の議論にもあるように、AIやロボットに取って代わられる業務があるなか、「相手の感情に寄り添う」ことは人間にしかできないと考えています。
現に中国では、インプラントの植立をロボットが行っているところもあるのですが、あらかじめプログラムされた動きをしているだけなんですよね。
「これが医療だ」と言われると、私は違和感を覚えます……。
たしかに、院長先生や歯科衛生士さんたちが「寄り添ってくれている」と感じられれば素直に嬉しいですし、末永くお付き合いしたいなと思います。
だから私は、スタッフにもコーチングスキルを使った対話を取り入れてもらっています。
目の前の患者さんの
「次に何を望んでいるのか?」
「健康や日常生活に対して、どんなこだわりがあるのか?」
などを引き出し、
「どんな未来を創っていこうか?」と一緒に考えるんです。
スタッフや私のこういったトークを学ぶために、全国から見学に来る方がいらっしゃいますね。
理想の歯科衛生士像とハノワの活用方法
先ほどのコーチングなどは、従来の歯科スタッフには求められなかったスキルですよね?
中原先生は、どんなスタッフと一緒に働きたいとお考えなのでしょう?
歯科衛生士さんだったら、単なる「口のお掃除屋さん」にとどまらず、患者さんの『健康観をつくっていけるパートナー』として働いてくれる人が良いですね。
例えば、30分の枠のうちの20分は、患者さんとの対話を大切にする方。
さらには、患者さんのパントモや口腔内写真、血液検査の結果を見てディスカッションできるような……高い志をもって、ドクターと一緒に切磋琢磨していきたいタイプの方と働きたいです。
そんな方と出会うために、ハノワを活用させていただいています。
「理想の歯科衛生士との出会いのツール」としてハノワをお使いなのですね。
恥ずかしながら、ハノワは歯科衛生士さんとの『お見合い』だと思っています。
いろんな歯科衛生士さんがいらっしゃるので、私ひとりでは探しきれなかった歯科衛生士さんとの出会いがあるのは、本当にありがたいです。
まずは『体験入社』のような感覚で働いていただき、お互いの相性を確認した上で、
良縁があればオメデトウ制度(※)を利用して、正式にスタッフとしてお迎えしたいです。
なるほど!『体験入社』という例えはイメージしやすいです。その気軽さは、ハノワならではの魅力ですね。
※ハノワで出会ったパートナーと所定の手数料を支払うことで、常勤・パート勤務と出来る制度
では、実際にハノワを利用されてみて感じられたことはありますか?
ハノワを通して来てくださる歯科衛生士さんは、客観的な視野をお持ちなので、自分たちにとっては当たり前になっていて気づかなかったことを、教えていただける良い機会になっています。
勤務後にいただいたフィードバックをもとに改善することで、より良い治療や医院経営を目指せると感じています。
ハノワのパートナー歯科衛生士からのフィードバックを、そのように真摯に受け止められているなんて……!感動を覚えます。
今後のビジョンについて
中原先生の今後のビジョンについて、お聞かせ願えますでしょうか?
今の私の大きなビジョンは、以下の2つです。
- 『待合室マーケティング®︎』を世界に広めること
- 日本の歯科のレベルを上げること
これらを実現するために取り組んでいることの一部を、ご紹介します。
『セルフケア指導のアドバイザー』として働ける資格を作りました。
歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士のような有資格者でなくても、歯科助手や受付、事務長、保育士、看護師、管理栄養士など、誰でも取得できます。
資格を取得すると、『待合室マーケティング®︎』の内容はもちろん、セルフケアの正しい知識が身につくので、医院の底上げが期待できます。
さらには、マンネリ化したスタッフのモチベーションが上がります。
※『Oral self care Meister』の認定を受けた歯科医療従事者には、ハノワのプロフィールに「認定バッチ」をつけることができます。
経営者でもある院長は、しばしば歯科衛生士とのビジネスの捉え方の違いに悩むことがあります。
そのギャップを埋めるには、歯科衛生士に経営者意識を持ってもらう必要があると考えました。
そこでトリコ歯科医院では、6台のチェアを土日の午後に歯科衛生士へ貸し出すシステムを作っています。(2020年9月以降の開始予定)
最低限の必要なものは当院ですべて揃えるので、発生する費用は賃料のみです。
※ご自身の好きな道具や器材は、別途取り揃えていただく必要があります
歯科衛生士が自らリーダーとなって経営をすることで、経営者意識が育まれることを期待しています。
“かかりつけ医” という立ち位置の歯科医院が増えて、歯磨き粉や歯ブラシなどのセルフケアグッズを「かかりつけ医で買う」ことが当たり前になってほしいと考えています。
そこで当院では、AIを使った『診察券アプリ』を開発しました。
今は、セルフケアグッズはインターネット通販で購入されることが多いので、診察券アプリを覗くと「おすすめのセルフケアグッズ」という提案が出て、そこから購入してもらえるシステムになっています。
その他にも、口腔内写真や治療歴もアプリ内で見れるように設計しています。
※画像引用:
診察券アプリ「私の歯医者さん」-PR TIMES-
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000035486.html
※サービス詳細:
歯科医院専用の予約管理システム「Apotool & Box」
https://apotool.jp/function/cardapp/
どれも斬新なアイデアばかりですね!
古い価値観が残る歯科業界を変えるためには、インパクトのある施策は重要だと考えています。
例えば、当院には「歯科助手」というスタッフはいません。
代わりに、その仕事を目指してもらえるような『ドクターマネージャー』、『クリニックマネージャー』というポジションを創造しました。
そして、彼女たちにしかできない仕事をしてもらっています。
これは、「歯科で働くスタッフ一人ひとりが輝ける社会にしたい」という想いがあるからです。
ということは、先ほどご紹介くださった『歯科衛生士へのチェアの貸し出しシステム』のアイデアも、その想いが起点なのですか?
その通りです。
このシステムを活用すれば、月商200万円を超える歯科衛生士が出てきてもおかしくありません。
この金額は、上場企業の部長以上のレベルです。
これが実現すると、歯科衛生士を含めた、歯科業界全体のレベルの底上げができるだけでなく、歯科に対する日本人の価値観も変わると信じています。
中原先生からのメッセージ
私は、2020年を「公衆衛生元年」と呼んでいます。
なぜなら新型コロナウイルス感染症のおかげで、手洗いやうがいなどの『セルフケアは予防につながる』という認識が、一気に国民へ広がったからです。
そのセルフケアを「歯磨きに置き換えて伝えていきたい」という想いで動いています。
今までの歯科業界は固定概念が強く、いわゆるステレオタイプの方が多かったと感じています。でも、これからは「ニューノーマル」の時代——。
歯科医院も、歯科医師も、歯科衛生士も、古くからある価値観を崩して、いろんなチャレンジをしていただきたいと強く願っています。
ぜひとも一緒に、新しい一歩を踏み出しましょう!
メディア掲載実績
※中原先生よりご提供いただきました
インタビュー動画
今回の内容を、中原先生ご自身のお言葉で語ってくださっています。
テキストだけでは伝わらない、中原先生の魅力がたっぷり詰まっていますので、ご一緒にどうぞ!
編集後記
歯科医師としての知見を深めるために、世界14か国もの歯科医療を学ばれた中原先生。
今では海外から注目を浴び、セミナーや見学の依頼があとを絶たないほどの人気でいらっしゃいます。
今回ご紹介したのはほんの一部ではありますが、数々の新しい切り口の取り組みに、ワクワクされた先生もいらっしゃるのではないでしょうか。
それにしても、中原先生の素晴らしいアイデアは、いったいどこから湧いてくるのでしょう?
中原先生に伺っても、「私は特別なことはしていないですよ。」とおっしゃるだけで、納得のいくご回答は得られませんでした……。
しかし、今回の執筆にあたりインタビュー録画を見返していると、中原先生が繰り返し使われている言葉にヒントがあることに気づきます。
その言葉は——「もったいない」。
「もったいない」の意味を辞書で調べると、下記のようにあります。
「もったいない(勿体無い)」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
有用なのにそのままにしておいたり、むだにしてしまったりするのが惜しい。
つまり、本来あるべき姿(本来の価値)がなくなるのを惜しみ、嘆くことです。
この意味を踏まえて、勝手ながら、吉田なりに考えた『中原先生のアイデアが湧くまでの3つのプロセス』を以下に記させていただきます。
- 目の前のモノ(ヒト)のあるべき姿を、混じり気のない観点で捉える
↓ - 捉えたものと現状との不一致に気づく
↓ - 不一致を解消するために、過去の経験と日々の研鑚を活かして考える
↓
斬新なアイデアが生まれる!
中原先生のビジョンのひとつ『歯科衛生士の地位の向上』は、ハノワと共鳴するところです。
だからこそ、ご自身の理想を形にする “パートナー選び” にハノワを活用されていることは、自然な流れなのかも知れません。
中原先生、貴重なお時間を縫ってインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。