医院を経営していると、さまざまな「壁」が立ちはだかることがあります。
- 採用を出しても全く応募がこない
- 頑張って採用したスタッフが、すぐに辞めてしまう
- スタッフのモチベーションが低い
など、特に「人材」の部分で課題を感じていらっしゃる院長先生が多いのではないでしょうか?
今回インタビューさせていただいた「たきの歯科」の山本先生は、常勤スタッフが5名退職するという大きな壁にぶつかったお話しをしてくださいました。
想像するだけで青ざめてしまうような状況ですよね。
患者さんの数を絞っていくことも考えたのですが、ハノワを使ってみようと思いまして。
ハノワを活用することで、患者数を減らすことなく運営を継続することを選んだ山本先生。
スタッフが減ってしまうというピンチを乗り越え、今は常勤スタッフの採用が決まって再び人員が安定する目処が立ったのだそうです。
目の前に立ちはだかる壁をどのように乗り越えればいいか模索されている院長先生にとって、この記事、そして山本先生の経験が少しでも解決の糸口になれば幸いです。
動画も配信しています
動画では、山本先生が一番苦しかった時期のことを振り返りながら、ハノワを活用することで院内に起きた変化について、赤裸々に語ってくださっています。
ぜひ、本記事と合わせてご視聴ください。
院長先生プロフィール
山本 達也 先生
医療法人社団にこにこすまいる たきの歯科(埼玉県ふじみ野市)院長
『にこにこすまいるの毎日を』をミッションに掲げ、むし歯や歯周病の予防を中心に、患者様が一生自分自身の歯で美味しい食事ができ、健康で笑顔あふれる生活ができるよう、幅広い提案を行う。また、『痛くない治療・小児矯正が得意な歯医者』として、患者様の希望に沿った治療を行うことを大切にしている。
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■ 経歴
1999年 ケンブリッジ大学短期留学
2002年 日本大学歯学部卒業
2006年 日本大学大学院歯学研究科卒業、
博士号取得
中野区葉山歯科医院勤務
2009年 たきの歯科開業
2010年 日本顎咬合学会 認定医
2011年 日本大学歯学部 兼任講師
2013年 ハローアルソン・フィリピン
医療ボランティア 埼玉支部
2015年 南カリフォルニア大学
客員研究員
2016年 歯科医師臨床研修指導歯科医
2019年 医療法人社団
にこにこすまいる設立
■ 学術、所属等
・歯学博士
・顎咬合学会 認定医
・日本大学歯学部 兼任講師
・南カリフォルニア大学 客員研究員
産業歯科医
・歯科医師臨床研修指導歯科医
・日本糖尿病協会歯科医師登録医
・障害者歯科相談医
・日本小児歯科学会 会員
・フィンランドむし歯予防研究会 会員
・ハローアルソン・フィリピン
医療ボランティア埼玉支部
・日本歯科新聞社 月刊誌『アポロニア21』
連載中
歯科衛生士&動画編集者のわだやんです!
『常勤の歯科衛生士』という働き方に息苦しさを感じていたところにハノワと出会い、ハノワでの勤務を通して、「こんな働き方もあっていいんだ!」「様々な働き方の選択肢があるんだ!」と心が救われました。
- 「歯科衛生士だから、ひとつの医院で長く働かなければいけない」と自分を縛らずに、もっと“自分らしい人生”を叶える人を増やしたい。
- ハノワを通して自己実現に近づく歯科医療従事者のリアルな声を、1人でも多くの人に届けたい。
そんな想いでインタビュー&動画制作に取り組んでいます!
にこにこすまいる たきの歯科について
はじめに、たきの歯科の理念やコンセプトを教えていただけますか?
たきの歯科では、クレド(行動指針)としてミッション、ビジョン、バリューを定めています。
ミッションは『にこにこすまいるの毎日を』です。
主語がないのは、患者さん、技工士さん、メーカーさん、ディーラーさん、地域の皆さんなど、たきの歯科に関わるすべての方に『にこにこすまいる』になっていただきたい…との願いからです。
ミッションを達成するために設定したビジョンが、『むし歯や歯周病を治療するために通う「病院」から、毎日を笑顔で過ごすために通う「健康院」として成長し続ける』というもの。
「健康院」という言葉を使っているのは、予防を主体とした歯医者になっていきたいという思いがあります。
さらに、このミッションに付随するかたちで10項目のバリューを設けています。
このカードは、スタッフさんも持ち歩いていらっしゃるんですか?
はい。
あと、患者さんにもお渡しできるように受付にも置いています。
患者さんにも見ていただけるというのはいいですね!
ハノワを使おうと思った理由
現在のスタッフ構成を教えてください。
勤務医の歯科医師1名、常勤の歯科衛生士3名、歯科助手1名、受付1名、マネージャー1名、保育士1名が基本です。
歯科助手以外は、フルタイムの常勤スタッフで運営しています。
ハノワを最初に使っていただいたのが2020年の9月で、そこから少し期間が空いて、2023年の年末頃からまた定期的に活用してくださっていますね。
最初に使ってみようと思われた理由をお伺いしてもよろしいですか?
最初は「何かのときに使えるかな」という気軽な気持ちでお試しマッチングを利用してみたんです。
ただ、当時は登録されているパートナーさんが周りにほとんどおらず、使えるレベルではなかったように記憶しています。
※ハノワでは、初回勤務の前に歯科医院の見学・面談・相性確認などを目的とした30分程度の『お試しマッチング』を推奨しています。
直近で頻繁に使われるようになったのは、なぜですか?
実は、2023年にスタッフ5名が退職しまして……。
チーフだった歯科衛生士や助手が辞めたことで、統制を取るのがやっとという状況だったんです。
働いているスタッフからも「この人数で今の患者さんを見るのは難しいから、早急に人を採用してほしいです」 と言われましたが、すぐに採用するのも難しく…。
患者さんの数を絞ることも考えたのですが、常勤スタッフが採用できるまでは、ハノワでどうにかつなぐことにしたんです。
ピンチのタイミングで、ハノワを思い出してくださったんですね。
はい。「ハノワを使ってみよう!」と見てみたら、意外と近隣にパートナー歯科衛生士がいたので、さっそくオファーをしてみました。
でも、すぐにはマッチングできませんでしたね。
そんなとき、2020年にハノワを通じて出会った方が、引き受けてくださることになったんです。
当時のメモも今だに持っていてくださって、大まかなところは全部カバーできる状態で来てくださいました。
振り返ると、2024年1月は診療のあるすべての日にハノワのパートナーさんが来てくださり、2月もほぼフルで来ていただいている状況です。
コスト感は、どのように感じていますか?
1か月に20日間ほどの営業なので、交通費込みでもハノワさんに支払う金額は60万円程度。
常勤スタッフ2〜3名分くらいの人件費で済むので、5名抜けた穴を埋めることを考えると、メリットは大きいと感じています。
ハノワの活用方法
現在は、ハノワをどのように活用されていますか?
毎日1名ハノワのパートナー歯科衛生士に来てもらっています。
そのおかげで、人員が減ったなかでも、患者さんの人数を減らすことなく、売り上げを維持できています。
ハノワのパートナーさんを探すとき、どういった基準でオファーされているのですか?
初めてメッセージを送る方は、「ハノワの利用があるか?」「リピート医院があるか?」の2点を必ず確認しています。
マッチングが0回の方は、「この日誰もいない……」という日以外は、ほぼオファーを送っていないですね。
最近でも、お試しマッチングを利用されることはありますか?
今はあまり利用していないですね。リピート医院がある方であれば、問題ないだろうと判断ができますので。
ハノワの魅力
ハノワのどういった部分に魅力を感じてくださっていますか?
①優秀な方と出会うことができる
先日来てくれたパートナー歯科衛生士が、めちゃくちゃスキャンが上手だったんです。
時間的にはうちのスタッフさんたちと同じくらいなのですが、データが綺麗で、データ処理や送信がとにかく早くて……!
その方は、2〜3年働いたクリニックが閉院してしまったそうで、「時間を棒に振ってしまった」と落ち込んだ様子だったのですが、「このスキルだけでも食べていけるんじゃないかな」というお話をしたらすごく喜んでくださったんです。
次回は時給を上乗せして、常勤のスタッフさんに教えてもらうというオファーをさせていただいています。
そのパートナー歯科衛生士も、自分のキャリアが肯定されてうれしかったのではないかと思います。
そういった新たな出会いが生まれているのは、ハノワとしてもうれしいです!
また、常勤の歯科衛生士が2名退職して、急遽担当が不在となった患者さんがいるのですが、少し難しい患者さんも含め、ハノワのパートナーさんがそつなく対応してくださっているのを見ると、すごくありがたいなぁと感じます。
②スタッフへの感謝に気づくきっかけが生まれる
ハノワのパートナー歯科衛生士は、あくまでも「ゲスト」なので、お互いに程よい緊張感を持って、感謝し合いながら仕事できる点がいいなと感じています。
同じような声は、パートナー側からも多くいただいています。
忙しく仕事をしていると、どうしてもイラっとしてしまうシチュエーションがあると思うんです。
でも、ハノワのパートナーさんに対しては「慣れていないから仕方ないよね」と思えるので、精神衛生上いいのかもしれないですね。
そういうふうにハノワのパートナー歯科衛生士に接していると「だったら、うちのスタッフに対してもイラッとしちゃいけないよね」と考えるようにもなりました。
それもあってか、以前と比べて常勤のスタッフに対して「ありがたいな」という気持ちが持てるようになった気がします。
ハノワ活用によるスタッフの変化
ハノワを使う前と後で、スタッフさんに変化はありましたか?
シンプルに、いろいろな話が聞けて楽しいという声はよく聞きます。
おもしろいところでいうと、ハノワのパートナーさんから「ハノワいいですよ」とすすめられても、うちのスタッフさんは歯科医院とやり取りをしないといけないのが面倒くさいと感じるらしくて。
「やっぱり常勤で働ける方がいいな」と実感するきっかけになっているそうです。
そういう話を聞くと、こちらとしてはほっとするんですよね……(笑)
ハノワを使うなかで困った点
ハノワを使うなかで、困ったことがあればお伺いしたいです。
1番難しいのが、メッセージを既読スルーされたときの対応です。
他の方にどのタイミングでオファーをかけるべきか、タイミングを迷います。
他の方にもオファーをかけて、ダブルブッキングになってしまう可能性もあるので。
それを防ぐためにも、できる限り実績のある方にお声がけするようにしていますね。
たしかに、そこのジャッジは手間もかかりますし、難しいですよね。
あとは、当然ハノワのパートナーも人なので、急に体調が悪くなってしまうことはありますよね。
常勤スタッフで起こりうることが、同じように起きる可能性があるというのも念頭に置いておく必要があるなと感じています。
ハノワはこんな歯科医院にオススメ
山本先生から見て、ハノワはどんな歯科医院にオススメしたいですか?
スタッフさんの数と患者さんの数がアンバランスになっている医院にはぴったりだと思います。
短期的、長期的に関わらず、採用活動と並行しながら必要なときに必要な人員が確保できる点がいいですよね。
当院の場合、 常勤の歯科衛生士が3名いて、歯科医師が1名、私1名の合計5名でユニット5台なので、正直プラスαの人材は必要ないんです。
でも、スタッフが突然休むこともありますし、体調を崩しても無理に出てこなくてはならないような状況にはしたくないので、1人プラスでハノワのパートナー歯科衛生士に来てもらっているという側面もあるんです。
今後のハノワの活用について
今後は、ハノワをどのように使っていきたいですか?
今は人員が足りない部分を補うかたちで活用させてもらっていますが、4月いっぱいで人員不足は解消されそうなので、5月以降は毎日使うことはなくなるかもしれません。
ですが、今後も、足りないときに使うというスタンスは変わらないと思います。
今後、歯科衛生士さんだけでなく、歯科医師マッチングの需要もありそうですか?
まさに今、めちゃくちゃ考えています。
実際に、 気になっている先生が1人いるのですが、タイミングが合わずまだオファーはできていないのですが。
やはり、勤務医の先生も柔軟にお休みがとれる環境を作っていきたいという思いからですか?
そうですね。それもできたらいいなと思っています。
あとは逆も今考えていて……。
自分が登録してみようかなって思っています。
山本先生が、ハノワのパートナーとして働きに行くということですか?
そうです!
見てみたいクリニックに入ってお給料をもらいながら働けるなんて、最高のシステムじゃないですか。
ハノワにはそういった使い方もあるかもしれませんね!
今後のビジョン
最後に、山本先生の今後のビジョンを教えてください。
皆さんに「健康になってほしい」という思いが根底にあるので、食事や栄養に関しても、少しずつ力を入れているところです。
また、障害者歯科など、歯の部分もレベルアップすることで、より健康なお口、さらには全身の健康につなげていけるよう取り組んでいきたいです。
現状ユニット5台で回していますが、来年度、再来年度のあたりでユニット数とスタッフ数も増やしたいなと考えています。
その段階で、またハノワさんのお世話になるかもしれません。
そして、2040年に向けて、1.5次歯科診療を目指していきたいです。
『健康院』に向けて、これからどんどん総合力をアップしていくということですね。
ハノワが少しでも、そういったことを推し進める力になれたら嬉しいです。
編集後記
明日は我が身……ではありませんが、山本先生のように、いつどのタイミングで常勤のスタッフが辞めてしまうかは分かりません。
記事のなかでは取り上げませんでしたが、スタッフが辞めた原因について「全て自分のマネジメント不足が原因です」とおっしゃっていた姿は、非常に心に刺さりました。
「今いるスタッフがしばらくは働いてくれるだろう」という根拠のない自信から、本来最も大切にすべき「人材確保」にあぐらをかいてしまってはいませんか?
山本先生がピンチですぐハノワを活用できたのは、一度「何かのときに使えるかな」と試した経験があったから、というのも大きかったのかもしれません。
「本当の大ピンチ」が訪れる前に「困ったときの頼れる先を探しておこう」という気軽な気持ちで、一度ハノワを試してみるのもよいのではないかと思います。
今まで出会えなかった新たな人材との出会いや、今働いてくれているスタッフの働きやすさにつなげる手立てとして、ぜひご活用いただけるとうれしいです。
※2024年2月インタビュー時点の情報です。