「歯科医院の雰囲気を良くしたい」
そう考える院長は多いです。
- スタッフ同士が自然に助け合う
- 患者さんへの対応は丁寧
- 気持ちよく働ける
そんな歯科医院を目指して
理念をつくったり、マニュアルを整備したり、
ミーティングを開いたり。
もちろん、それらはどれも大切な取り組みです。
しかし、歯科医院の文化は、
紙に書かれた理念だけで作られるものではありません。
院長自身の普段の行動や考え方が、
歯科医院全体の文化になっているケースがあるのです。
院長の行動は自然とスタッフに伝わる
たとえば、
- 診療が終わったあとに器具を片付ける姿
- 患者さんが帰るときに笑顔で見送る姿
- スタッフへ「ありがとう」と伝える姿
これらを意識してスタッフに見せようと
考えている院長は、多くないでしょう。
どれも自分にとってはごく自然な、
当たり前の行動ですよね。
しかし、
その当たり前をスタッフは毎日見ています。
そして、気づかないうちに真似しているのです。
真似して欲しいことばかりではない
スタッフが真似するのは、
いい行動ばかりではありません。
- 忙しいと返事が短くなる
- スタッフへの感謝は、口にせず心の中で思うだけ
- 昼休みも仕事をしている
- 患者さんを待たせないよう、つい自分で全部やってしまう
院長としては「歯科医院のために」
という考えがベースにある行動かもしれません。
しかし、その姿を見たスタッフは、
「忙しいときは、余裕がなくなるものなんだ」
「感謝は口に出さなくてもいいものなんだ」
「院長の仕事には、手を出さない方がいいんだ」
そんなふうに、
『歯科医院の当たり前』として
受け取ってしまうのです。
スタッフは、院長を見て学んでいる
新人教育の場では、
「こうしてください」
「これは違います」と
言葉で教える機会があります。
しかし、人が本当に身につけるのは、
毎日繰り返し目にする行動です。
たとえば、
- 院長が患者さん一人ひとりに名前で声をかけている
- スタッフに対しても、きちんと敬語を使っている
- ミスが起きたときは、まず一緒に原因を考えている
そんな姿を見続ければ、
それがその歯科医院の『普通』になっていきます。
逆に、
- ため息をつく
- 忙しいときは無言になる
- 「自分でやった方が早い」が口癖になっている
これもまた、
歯科医院の文化として根づいていきます。
文化とは、教えたことではなく、
繰り返し見せてきたことによって
つくられていくのです。
文化は、一日では変わらない
歯科医院の文化を変えたいと思ったとき、
多くの人はまず新しいルールを考えます。
しかし、本当に文化を変えるのは、
ルールそのものではなく、
毎日の積み重ねです。
- 朝、自分から挨拶をする
- 「ありがとう」を口にする回数を増やす
- 忙しい日でも、一呼吸置いてから話す
小さなことの積み重ねですが、
一年後には歯科医院の空気は変わっているはずです。
スタッフは、院長の話を聞く以上に
院長の姿をよく見ています。
だからこそ、
「真似されている」という視点を持つことが
大切なのです。
理想の歯科医院は、院長の日常から始まる
「もっとスタッフ同士で助け合ってほしい」
「患者さんへの気遣いを大切にしてほしい」
「前向きな職場にしたい」
そう思ったとき、一番最初に見直したいのは
スタッフではなく、
院長自身の『当たり前』です。
院長が当たり前にしていることは、
やがて歯科医院全体の当たり前になっていきます。
歯科医院の文化は、
特別な取り組みだけで
生まれるものではありません。
日々の言葉遣い、
患者さんへの接し方、
スタッフとの関わり方。
その積み重ねによって、
歯科医院の文化や『らしさ』が
つくられていくのです。





