最近では
「従業員の健康経営」なども叫ばれていて、
パワハラやセクハラなどの
ハラスメントに対する意識が高まってきました。
ひと昔前の経営では
何も疑問もなく当たり前だったことが、
知らない間にハラスメントとなり
ブラック認定されてしまう。
自分にはそんなつもりはなかったのに、
いきなり「セクハラだ!」と訴えられてしまう。
「何もしていないつもり」なのに
スタッフが辞めていく。
そのような会社も多いようです。
これは価値観の違いもあるのですが、
一番は
経営者がハラスメントの定義をわかっていない。
または、
ハラスメントに対しての意識が低いことが
原因でもあります。
セクハラなどでSNSなどに拡散されてしまうと、
これくらいでギャーギャー騒ぎやがって!
とは言えない、
大きなリスクとなってしまいます。
特に家族経営も多い歯科医院では、
大企業とは違ってルールは院長が持っています。
もしかしたら、
知らずに「セクハラ!」
となってしまっている可能性も
十分にあるのです。
気をつけている院長も
もちろん多いと思いますが、
もう一度再確認していただけたらと思います。
セクハラの定義とは?
男女雇用機会均等法では「職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したり抵抗したりすることによって解雇、降格、減給などの不利益を受けることや、性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に重大な悪影響が生じること」と定義されています。
引用:法務省PDF『セクシュアル・ハラスメント』
また、厚生労働省の指針では
セクハラを次の二つのタイプに分けています。
●対価型セクシュアル・ハラスメント
職務上の地位を利用して性的な関係を強要し、それを拒否した人に対し減給、降格などの不利益を負わせる行為。
●環境型セクシュアル・ハラスメント
性的な関係は要求しないものの、職場内での性的な言動により働く人たちを不快にさせ、職場環境を損なう行為。
中小企業では、2022年4月1日に
男女雇用機会均等法の『セクハラ防止対策』
も強化されるので、
セクハラの定義はしっかりと
覚えておきたいところです。
では、どのような行為が
セクハラと該当するのでしょうか?
知らずにこんなことやってないですか?該当するセクハラ行為とは?
セクハラに該当する行為は、
・性的な関係を要求したが拒否されたので解雇する
・人事考課などを条件に性的な関係を求める
・職場内での性的な発言に対し抗議した者を配置転換する
・性的な好みで雇用上の待遇に差をつける
・性的な話題をしばしば口にする
・恋愛経験を執ように尋ねる
・宴会で男性に裸踊りを強要する
・特に用事もないのに執ようにメールを送る
・私生活に関する噂などを意図的に流す
などです。
「スリーサイズは?」と聞いたり、
「〇〇ちゃんは彼氏いるの?」と聞くのも
セクハラになってしまいます。
また、
「いつも頑張っているね!」と肩を触る
などもセクハラに該当することもあります。
このような言動や行為は
「そんなつもりなかった!冗談なのに!」
は通用しないのです。
相手が不快に感じてしまったら
全てセクハラとなってしまいます。
セクハラを防ぐ為には日頃のコミュニケーションの改善が必要です。
同じようなことをやっても
セクハラと捉えられない人も存在します。
この違いは何でしょうか?
それは、
日々のコミュニケーションです。
セクハラと感じられてしまう大きな原因には、
コミュニケーション不足があります。
普段から一方的な
コミュニケーションをとっている場合、
急に彼氏の話や性的な話をされたら
気持ち悪いと感じられてしまうでしょう。
一方的なコミュニケーションではなく、
相手の話をしっかり聞いてあげる
「傾聴力」が院長にも必要ではないか?
と思います。
気をつけて欲しいのは、セクハラは
派遣社員、パート社員、取引先の従業員
に対しても成立するので、
「パートだから何を言ってもいい!」
ではダメなのです。
セクハラを防ぐために
コミュニケーションの改善をすることで、
離職は減る可能性も十分にあります。
法改正もあり
強化されていくセクハラ問題なので、
「うちの院は大丈夫!」ではなく、
意識しておくことをお勧めします。
知らずにセクハラしているかも?セクハラチェックリスト
最後に、法務省が記載している
『セクハラチェックリスト』で、
自分の現在の意識を調べてみてください。
■ 可愛い子にはラクな仕事を担当させたいと思う
出典:法務省PDF『セクシュアル・ハラスメント』
■ 女性の身体的特徴を話題にする
■ 食事やデートにしつこく誘う
■ 私生活上の秘密等を暴露したり話題にする
■ 職場でも性的な話題も時には必要だと思う
■ 短いスカートや胸元が開いたブラウスはセクハラの原因だと思う
■ 性的な冗談は女性も喜んでいると思う
■ 宴会でのハダカ踊りは誰が見ても楽しいと思う
■ お酒のお酌やカラオケでのデュエットを執ように誘う
■ 女性の身体をじっと眺める
■ 体調の悪そうな女性に「生理日か」などと言う
■ 女性の肩に手を触れるのはスキンシップである
■ 雑誌のヌード写真を他人の前で見せることがある
最近では、このような問題は
SNSで一気に拡散されてしまう可能性もあり、
拡散されてしまえば院の評価も
大きく下がってしまいます。
「知らなかった!」
では済まされないので、
気をつけるようにしていきたいものですね!
コミュニケーションの改善は
離職を減らす為の有効な施策ですので、
ぜひ意識してみて欲しいと思います。