院長1人ではもう限界……ハノワの歯科医師マッチングで“訪問歯科の質”を維持することができました！

自分1人では限界だったので、藁をもすがる思いでハノワを使いました。

『お口の中の健康を起点として心に寄り添い、生活の質の向上に関わり続けることで、地域の仲間としてともに最高の人生と感じる社会を創造する』というのが当院の理念です。

私自身、高校時代に膝の怪我をしてしまった経験があり、常に痛みや炎症に悩まされてきました。

だからこそ、『痛みや不快感を取り除いて、もっと生活の質を向上させたい』といった思いを昔から強く持っていたんです。

それが、現在の理念にもつながっているのではないかと感じます。

もともと「困っている人の役に立ちたいな」という気持ちがあって。

補綴科や口腔外科で学ばせていただくなかで、海外には歯が抜けなかったり、抜いて終わりだったり…といった国もあるんだろうな、と思っていました。

そんなときに研修時代の先輩から「訪問歯科を立ち上げた歯科医院があるから、バイトしに来なよ」と声をかけてもらったのがきっかけですね。

「行く行くー！」という感じで行ってみたんですけど…。

「東京23区内の江東区で、こんなにもお口が崩れている方がいるの…？」と衝撃を受けたことを今でもはっきり覚えています。

歯科が必要なのは、海外のどこかではなく身近な江東区なんじゃないか！と、衝撃を受けまして。

治療やコミュニケーションを続けることで、患者様の口腔内がぐんぐん良くなっていく光景を間近で見ることができる点です。

たとえば、末期がんの患者様に「もっと良くなりますよ」という提案をするとお顔が輝いたり。

診療後に泣いて喜んでくださる患者様もいたりして、気づいたらどんどん訪問歯科にハマっていっていました。

口腔外科の病院で働いたりもしましたが、その訪問歯科の歯科医院の仕事は開業するまでずっと続けてきました。

うちのスタッフのなかには、その歯科医院で働いていた人もいるんですよ。

訪問歯科において、歯科治療を届けることだけが私たちの役割だとは思っていません。

医療を提供するパートナーの一員として医師や看護師、介護職の皆さんと連携して、『歯科治療の枠を超えた医療』を提供していくことが大切だと考えています。

そうでしたか。訪問歯科って、まだまだハードルが高いと感じられている方が多い印象です。

そもそも『訪問歯科=守りの治療』をイメージされる方が多くいらっしゃると思うのですが、私はたとえ現状維持することが目的だったとしても、歯科としてやるべきことは十分にあると思っています。

炎症を取るだけでなく、患者様自身が抱える“諦め”や“絶望”まで取り払ってあげる。そういったアプローチができるのが、唯一歯科だと考えているんです。

最初の頃は訪問歯科を私1人でこなせていたので、ハノワのことは知りませんでした。

でも、患者さんが増えて「私1人では治療の質を保ちながら訪問歯科を続けるのは難しいかもしれない」と思い始めて、ある先生に相談してみたんです。

そのときに「ハノワっていうサービスがあるよ」と教えてもらったのがきっかけです。

そのタイミングでたまたま常勤の歯科医師が辞めることになり、次の歯科医師が来るまでのつなぎとして、ハノワの歯科医師マッチングを活用し始めました。

もう藁をもつかむ思いだったので「とにかくお願いします！来てください！」という感じでしたね。

私の方からたくさんのパートナー歯科医師にメッセージを入れました。

来てくださったパートナー歯科医師はそれぞれに個性があり、ハノワを通じてお会いできたことが私の学びにつながっているなと感じています。

非常勤、常勤に近い歯科医師、常勤の歯科衛生士、事務スタッフを合わせて、20名以上ですね。

そうですね。

ありがたいことに、地域の方から新患のご依頼を毎月30弱くらいいただいているので、それに対応していくために常に歯科医師の募集をかけている状況ではあります。

以前と比べて人員は充足してきたので、スタッフの体調不良など突発で人員が欠けたときに活用させていただいています。

当院の特徴として、訪問診療といっても施設ではなく、個人宅にお伺いする在宅訪問診療のみに対応しています。

そのなかで、スポットで来ていただいた先生にすべてをお願いするのは難しいと思うので、ベテランの歯科衛生士とペアを組んで入っていただけるよう、人員配置には気を配っています。

そのほか、予約のスケジュールを変えたり、スポットで来てくださった先生に見ていただけそうな患者さんをお願いするなど、最低限の配慮もしていますよ。

ありますね。やりとりの時点で「訪問歯科未経験でも問題ないですか？」と聞いてくださる先生もけっこういらっしゃいますよ。

カルテの書き方などはきちんとお伝えする必要がありますが、歯科医師がやらなければならない役割をしっかり守っていただけているので、「ありがたいな」というのが正直なところです。

一番の魅力は、どうしても歯科医師や歯科衛生士に来てほしい！といった状況で、頼れるシステムだというところです。

当院に来てくださった方はベテランクラスで、即戦力となる歯科医師が多かったように思います。
患者様の口の中を綺麗にするだけでなく、汚れがつきづらいような治療をしてくださっている姿を見て、非常にありがたいなと感じています。

歯科衛生士と比べて歯科医師の登録数はまだ少ないものの、ハノワには経験豊富な歯科医師の方が多く登録されている印象なので、本当に助かっています。

ハノワを使うようになってから、「この日は、ハノワをお願いしてもらえませんか？」といった要望をもらうことが増えました。

単に欠員を埋めるだけでなく、いろいろな世代の先生の話が聞けたり、他の医院のやり方が客観的に見られるので、“経験値が上がる”ということをメリットと感じてくれているのかもしれません。

最近では、「ハノワのあの先生をもう1回呼んでください！」といった、より具体的な声も上がったりしているんですよ。

何よりも、“常勤のスタッフが1人抜けたら他のスタッフに倍働いてもらわないといけない”という状況が打破できたことは、スタッフにとっても心の余裕につながっているのではないかと感じています。

間違いないですね。
私自身も『苦しいときのハノワ頼み』ではないですが、「いざとなったらハノワがあるから大丈夫！」と思えるようになったことは、心の支えになっています。

若い先生たちのなかに、週1〜2日でも訪問歯科でスキルを磨きたいというニーズがあるのかな？と感じています。

『疾患に即した治療』をする外来に対して、訪問歯科は『生活に即した治療』をするという違いがあります。

それに付随して、関係者が非常に多くなったり、使える器具に制限があるなかでの治療となるため、外来では学べないスキルを身につけたいというニーズが隠れているのかなと感じます。

今まで通り欠員を補充するといった活用を続けながら、訪問歯科の素晴らしさを伝えていきたいなと考えています。

「訪問診療って何だろう？」といった興味から来てくださった歯科医師の先生にも、「訪問診療に歯科が入ると患者様の状態がこんなにも良くなるんだ」といった体験をぜひ味わっていただきたいです。

そうです。
ハノワの活用が、訪問歯科がいかに素晴らしいかということを歯科医療従事者に知ってもらう1つのきっかけになれば、歯科医師が足りない苦しい状況も、数年後には「あの時期があって良かったね」と言えるようになれるのではないかと思うんですよね。

在宅治療で何かを諦めたり、我慢していたりする患者様に対して、私たちのような訪問歯科が届けられる地域の体制をもっと構築していきたいと思っています。

そのためにも、訪問歯科に従事する私たちが喜びを持って仕事をしている姿を発信することで、もっと訪問歯科に従事する歯科職を増やしていきたいと思っています。