厚生労働省から発表された調査結果によると、2021年(令和3年)10月末時点での国内の歯科診療所数は68,028施設だそうです。この歯科医院の総数は、1990年代から見ても緩やかな増加傾向にあります。
そんななか変わらない事実は、日本で一番多いのは歯科医師が 1 名〜 2 名の小規模歯科診療所であるということです。
つまり、いち歯科医師として臨床の現場に立ちながらも、経営者として医院全体の経営課題に向き合わざるを得ない先生が大半を占めている——。
そんな先生たちの本音として、「なるべく人件費(固定費)を下げたい」という思いは少なからずあるのではないでしょうか。
今回インタビューさせていただいた『ショー歯科医院』の院長、新野見(にいのみ) 昇一 先生もそんなお一人でした。
「アポの状況など、医院の都合に合わせてフレキシブルにスタッフを配置できるのが理想だけど、人材をあまり多く抱えることはできない……。」というジレンマを抱え、採用に困っておられたと言います。
そんななか、「人手がもう一人ほしいな」というときに時間の合う歯科衛生士とマッチングでき、人件費の計算がしやすいハノワに価値を感じ、ご利用を決められたそうです。
新野見先生のハノワの活用方法や、実際に使われてから変わったことなど、ハノワ独自の視点で行ったインタビューをレポートいたします。
動画も配信しています
人材紹介会社とハノワとの違い、ハノワを利用する前に抱えていた悩みなどをリアルに語ってくださっています。
「ハノワの歯科衛生士ってどうなの?」と気になる院長先生は必見です。ぜひご一緒にどうぞ!
院長先生プロフィール
新野見 昇一 先生
ショー歯科医院(神奈川県座間市)院長
神奈川県出身。
『身体に優しい歯科医療』というコンセプトをもとに、患者さん一人ひとりに合った治療をすることが、医療の第一歩だと考えている。求人募集や人材紹介会社など、既存の採用方法に限界を感じ、ハノワの利用を決意。
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■ 経歴
1990年3月 公立大学法人 九州歯科大学 卒業
1990年5月 東京都信宅ビル歯科医院 勤務
1992年6月 ショー歯科医院 開業
■ 所属学会・資格
神奈川県摂食嚥下障害歯科医療相談医
日本歯科医師会 神奈川県歯科医師会
座間市歯科医師会 常務理事
一般社団法人国際和合医療学会 執行役員
歯科衛生士&動画編集者のわだやんです!
『常勤の歯科衛生士』という働き方に息苦しさを感じていたところにハノワと出会い、ハノワでの勤務を通して、「こんな働き方もあっていいんだ!」「様々な働き方の選択肢があるんだ!」と心が救われました。
- 「歯科衛生士だから、ひとつの医院で長く働かなければいけない」と自分を縛らずに、もっと“自分らしい人生”を叶える人を増やしたい。
- ハノワを通して自己実現に近づく歯科医療従事者のリアルな声を、1人でも多くの人に届けたい。
そんな想いでインタビュー&動画制作に取り組んでいます!
ショー歯科医院について
まずはじめに、ショー歯科医院について教えていただけますか?
当院は『身体に優しい歯科医療』というコンセプトを持っています。
「歯科治療」ではなく「歯科医療」なんです。
医療の中に治療や予防があるという考え方で、健康増進という意味では栄養学とか、そういうものを含めて医療的に捉えています。
「身体に優しい」というところでいうと、具体的にはノンメタル治療を推奨しています。
ですが、皆さんがそれをやるとは限りませんので、なるべくメタルを使わないっていう方針ですね。
そういう意味では、例えば歯周病も、ある程度酷ければ当然フラップ手術等はしますけれども、そうでなければ薬で治すとか、他の処置をとるような治療を行っております。
新野見先生は歯科医院を経営されながら、いろいろな趣味を楽しまれている印象があります。
40歳くらいから、バイクの免許を取ったり演劇をやったり、いろいろなことに挑戦してみました。
歯科医をしていると、「集まる仲間はいつもみんな歯科医」という状態になってしまいますよね。
そこで、異業種交流会とか、そういったセミナーに行ってみたら、多様な仕事で生活している人たちがいて刺激になったんです。それが始まりで、いろんな人と接するようになりましたね。
歯科業界以外の方と触れ合うことで、診療に影響はありましたか?
患者さんとコミュニケーションをとるときに、話題が広がりますよね。
あと、ちょっとおこがましくはあるんですが、中高生に「進学はどうするの?」とか「将来は何になりたいの?」って聞くと、「わからない」という答えが多いんですよ。
そういうときに「好きなことは何?」と聞いて、好きなことがあれば「その周りには色々なものがあるよ。そういうところを見に行ってもいいんじゃない?」という話をするようになりましたね。
会話の引き出しが多くなるのは素敵です。患者さんとのコミュニケーションが信頼関係に繋がることにもなりますよね。
ハノワを使おうと思ったきっかけ
ところで、ハノワを活用する前に悩んでいたことはありますか?
「歯科衛生士が集まらない、採用に繋がらない」ということですね。
そして直接雇用となると、フレキシブルさがなくなりますしね。
そうは言っても、人材をあまり多く抱えることはできないので、そういうところを踏まえて募集しても、なかなか人が集まらないという状態でした。
常勤の歯科衛生士が足りない状態だったのですか?
そうですね、本当は歯科衛生士さんをもう一人採用したかったんですが、なかなか応募が来ませんでした。
忙しさはその時々によって変わりますが、もう一人いた方が安心だなという状況だったんです。
求人募集以外だと人材紹介くらいしかなくなってしまって、方法が限られてしまうことが悩みでした。
それでハノワに興味を持たれたのですね。
ハノワの魅力
では、新野見先生が感じられるハノワの魅力はどんなところでしょう?
① 医院の都合に合わせたフレキシブルな雇用が可能
近くに歯科衛生士さんがいらっしゃれば、フレキシブルに勤務していただけるというところですね。
こちらが来てほしいとき、例えば「アポが多いから、人手がもう一人ほしいな」というときなどに、時間の合う歯科衛生士さんとマッチングできるという点で、ハノワの利用価値はすごく大きいと思います。
近隣の歯科衛生士さんとのマッチングはスムーズに進みますか?
ハノワに登録した当初は、近隣に歯科衛生士さんがいなかったのですが、ハノワからお知らせが届いたんですよね。
「近くのこういう歯科衛生士の方が出勤の日程を出しています」と。
そのメッセージを見てアプローチしてみて、来ていただいた方がいます。
ちょっと遠くに住んでいましたがOKということでしたので、「車でもいいですよ」と言って車で来てもらいました。
そういった面では、ハノワは思ったより使いやすかったです。
② 歯科衛生士の「お試し勤務」の依頼ができる
ハノワでは、歯科衛生士さんに「お試し勤務」の依頼ができますよね。
実際に何度か働いてみてもらって、歯科医院側も歯科衛生士側も、お互いにどんな感じか確認できる点は良いと思います。
また、そういった場合に試用期間などの労使関係の問題が発生しませんよね。
勤務のときの手数料(※)と賃金をお支払いすればいいので、支払い方法も楽で良いです。
そういう面でも、ハノワは使いやすいと思いますね。
※2021年12月末時点のハノワのスポットマッチング手数料は、日当の33%(税込)です
その部分は、「ハノワを使おうと思ったきっかけ」で話してくださった人材紹介会社との違いになりますでしょうか?
そうですね。
人材紹介会社の場合だと、採用が決まれば手数料を払う感じなんですが、実際のところ面接だけではわからないですよね。
今まで3人くらいの歯科衛生士さんに来てもらった結果、相性が良くなかったということもありました。
お互いの個性や相性の問題もあるので、やっぱり働いてみてもらわないとわからないです。
そういう意味では、初めはハノワの歯科衛生士さんにもあまり期待していなかったんですが——。
③ お互いの評価が確認できる
ハノワの場合は、歯科医院と歯科衛生士がお互いを評価するシステムになっていますよね。
『アリガトウ(※)』のことですね。
歯科衛生士側は挨拶や身だしなみなどを意識するでしょうし、歯科医院の方も見られている意識がある。
そういった面で、想定よりしっかり仕事をしてくれるなという印象が強いですね。
※ハノワには、勤務終了後に歯科医院と歯科衛生士が互いにレビューを行う『アリガトウ』という制度があります
ハノワでは、あらかじめ歯科衛生士さんの勤務時間が決まっていますが、業務時間がちょっと余ったときに、「何かお手伝いすることはありますか?」と言ってきてくれるんですよ。「まだお時間がありますから」と。
そういう姿勢を見て、「いいな」と感じることがありますね。
ハノワの活用方法
ハノワを活用してから変わったことはありますか?
いつものスタッフと違う人が来るというのが新鮮ですね。
患者さんも、何度も通われている方が多いので、「今日は歯科衛生士さんが違うんだ」と新鮮に感じられていると思います。
あと、当院の患者さんは60~70歳くらいの年配の方が多いのですが、来ていただくハノワの歯科衛生士さんは年齢が若いので、「雰囲気が変わるな」というのは感じます。
これは僕の考えですが、核家族化で、年配の方は若い人と接する機会が少ないと思うんです。そういった意味で、歯科医院に来て若い歯科衛生士さんと会話するのが楽しみなんじゃないかなというところがあります。
歯科医院を通して人と触れ合うことも医療のうちの一つだと思いますし、挨拶をかわすだけでも違うんじゃないかと思っています。
では、ハノワを利用する際に不安だったことはありますか?
先ほども話したとおり、ハノワの歯科衛生士さんは若い人が多いですよね。
当院の歯科衛生士さんは40代だったりするので、若い方はキャリア的な面でどうかなという心配はありました。
でも蓋を開けてみれば、ハノワの歯科衛生士さんもメインテナンスはしますし、患者さんへの挨拶や接し方も丁寧にしてくれているので、良かったなと思っています。
今までに3名のハノワの歯科衛生士さんに勤務していただきましたが、みなさんきちんと責任を持って取り組んでくださって、「しっかり仕事をしてくれるな」と感じましたね。
ショー歯科医院さんで勤務されたハノワの歯科衛生士さんのレビューに、「物の位置がラベリングされていて、すごくやりやすかったです」というようなコメントがありましたが、そのあたりは医院で工夫されている点ですか?
それはスタッフが気を配ってやってくれたんです。
「歯科診療補助の業務をする際に、わかりにくいだろう」ということで。
歯科医院やスタッフの方に受け入れ態勢があることがわかると、ハノワの歯科衛生士さんも安心ですね。
新野見先生は、これからハノワをどのように使っていきたいとお考えですか?
機会があれば、いろんな歯科衛生士さんに依頼したいと思っています。
ではその先で、相性が合う歯科衛生士がいたら、『オメデトウ制度(※)』を使って正社員になってもらうことも選択肢としてはありますか?
はい、それは十分にありますね。
※ハノワを通じて出会った人材を常勤やパート勤務に登用する『オメデトウ制度』のこと。
今後のビジョン
最後に、新野見先生のこれからのビジョンをお伺いできますか。
ビジョンというか、楽しい感じでやっていければいいかなと思っています。
あとは自分の体力がどんどん落ちていくので、少し人を増やしてなるべくアウトソーシングにして…という感じで、任せていきたいですね。
では、ご自身の業務を任せたい若手のドクターに伝えたいことなどはありますか?
「遊んでください」ということでしょうか。
当院のアルバイトの先生も、すごく真面目なんですね。
勤務しながら一生懸命に勉強して、頑張っている——それは素晴らしいことだと思うんです。
なので、それプラス、異業種のいろんな人と触れ合ってみてほしいですね。
仲間が増えると人脈も広がります。
友達の友達という感じで、また別の世界の人を紹介してもらったり、新たな人と繋がったり……。
自分も経験上、「そういった繋がりを持ったことで、仕事をしていても助かることが多かったよ」とよく話をしています。
人それぞれ好きなことが違いますよね。
好きなことをして遊ぶって、自分にすごくエネルギーを与えることになります。
自分が良いエネルギーで満たされれば表情も変わるし、気分も変わるので、そういうことも重要だよと伝えています。
新野見先生の実体験からのメッセージですね!
編集後記
ショー歯科医院をゼロから開業された新野見先生。
開業当時から歯科医師特有の “色メガネ” を通して歯科業界を見るのではなく、ひとりの患者としての観点を常に持ち続けていらっしゃいます。
一時は、「患者の意にそぐわない治療を進める歯科業界の常識に嫌気が差し、歯科医師を辞めることも考えた」という新野見先生ですが、治療に囚われるあまり「予防の大切さ」を患者に伝えていないことに気づき、同時に歯科を「身体の健康に関わる医療のひとつ」と捉えたことで、一気に視野が広がったと話してくださいました。
このように多角的な視点で歯科を捉えることと、ご自身の多彩なご活動や交友関係での刺激が相まって、関わるスタッフのパーソナリティの多様性を尊重する価値観が生まれたのではないかと感じます。
そういう点でも、「お試し勤務」という形で、歯科医院と歯科衛生士が事前にお互いの相性を確かめられるハノワは、新野見先生が大切にされる価値観にフィットするシステムであることがわかります。
また、ハノワは今後ますます、歯科医師・歯科助手・歯科技工士などの多職種展開にも注力してまいります。
新野見先生のように「少しずつ若い人材に任せていきたい」とお考えの院長先生にもご活用いただけるよう環境を整えておりますので、ぜひ今のうちから試して感触を掴んでみてください。