歯科医院は「慢性的な人手不足」
と言われていて、
採用募集をかけても
なかなか来てくれないケースも
多いのではないでしょうか。
それ以上に、
採用したのはいいけど定着せずに
スタッフを採用してはすぐに辞めてしまい、
採用獲得コストがかかりすぎていることが
問題にもなっています。
やっとの思いで採用したのに
すぐに辞められてしまっては、
院長もたまったものではないと思います。
歯科医院では歯科衛生士さんの離職も多く、
衛生士さんも転職を繰り返す——
といったことが起こっているのですが、
すぐに辞めてしまう衛生士さんに
院長は「最近の若いものは…」と嘆き、
一方、衛生士さんは、
「院長のパワハラがひどい!」
「働きにくい職場だ!」
と思っていたりします。
院長も本当は
働いて欲しいと思っているのに対し、
衛生士さんも働きたいと思っています。
ですが、なぜこのような
ギャップが生まれてしまうのでしょうか?
その理由は、
医院のシステムに原因があります。
この記事では、
なぜあなたの院では
スタッフさんがすぐに辞めてしまうのか?
そして、
離職を減らすための改善策
をお伝えしたいと思います。
すぐにスタッフが辞めてしまう理由は院内で使う用語の統一ができていないから
あなたの医院では、
歯科衛生士さんや技工士、
受付スタッフさんなどが長く続かずに
すぐに辞めてしまっていませんか?
そして、辞めてしまう理由を
「やめた側が悪い!」
と決めつけていませんか?
それは大きな間違いです。
実際には、あなたの医院の
運営方法に大きな問題があります。
それは、
用語の統一がされているかどうかです。
あなたの院では
用語の統一を考えていますか?
用語というのは、使う言葉。
使用の語句のことです。
つまり、
院内で使われている
言葉の意味を統一しているか?
ということです。
ほとんどの院長は抽象的な表現で、
日によって言っていることが違ったり、
同じ言葉は使っているが
意味合いが異なっているのでは
ないでしょうか?
毎回使う用語は同じなのに、
その都度意味が異なるのでは、
働く側は混乱し不満を招いてしまいます。
例えば、
「院内は整理整頓しましょう!」
という決まりがあったとします。
スタッフは
それぞれが思う整理整頓をしています。
しかし、院長は
自分が考える整理整頓ではないので
スタッフに怒ってしまいます。
院長側からすれば
「全く仕事ができていない!」
となるのですが、実際には、
整理整頓はそれぞれしています。
スタッフ側から考えれば、
なぜやっているのに怒鳴られたり
怒られないといけないのか?
という不満になり、それが
「パワハラだ!」
と感じてしまうことにもつながるのです。
つまり、
人によって言葉の捉え方が違うので
行動が変わってくるのです。
このようなことが続けば、
当然ですが不満は大きくなり
離職も増えてしまいますよね。
あくまで例ですが、
あらゆる場面でこの用語の意味が
明確になっていないのではないでしょうか?
スタッフを離職させずに定着させるための用語の統一の考え方
用語を統一するためには、
言葉の意味を明確にすることです。
歯科医院だけではなく
会社組織でも同様なのですが、
多くの場合、
用語の表現で噛み合わないのは
表現方法が抽象的になっているからです。
例えば、
「チェックする」
よく「カルテをチェックしといて」
なんて言うと思いますが、
チェックの意味を明確に決めていますか?
「チェックする」とは
何をどのようにするのか?までを明確にし、
その行動を伝えないと
「相手が思ったチェック」
になってしまいます。
なので、
院長が考えている
「チェックする」という意味を
細かく教えないといけないのです。
「確認する」
確認も
「これ確認しておいて!」
とよく言っていると思いますが、
何をどのように確認するのか、
目視なのか、一人でなのか?
などを決定しなくてはいけません。
このように、
院内で使う言葉を
院長が考える通りに明確に定義しないと、
スタッフ側は
「ちゃんとやっているのに…」
と大きな不満になり、
すれ違いが起こっていきます。
スタッフの離職を減らし、お互いが不満なく働くために必要なこと
離職を減らし、
お互いがすれ違わないようにするためには、
行動の中身を書くことが大切です。
ですが、多くの医院では
その中身まで書いていないのです。
なので、
「どのように行動すればいいのか」という
中身を具体的に明記することです。
多くの医院では、
「スタッフが行動しないのは
意識が低いからだ!」
と、先に意識改革が必要だと考えています。
これがそもそもの間違いで、
精神力で働かせることがパワハラなどの
様々なハラスメントを生み、離職を増やし、
採用できなくなってしまう理由にもなります。
なので、
スタッフが自ら行動してもらうようになり、
院長の不満を解消しながら
離職を減らすためには、
道徳的表現は絶対にしてはいけない行為
になります。
道徳的表現とは?
「早く」「ちゃんと」「きちんと」「丁寧に」「綺麗に」「できるだけ」「テキパキと」「心を込めて」「ちょっと」などです。
このような表現を従業員に使うと、
曖昧で行動できなくなってしまいます。
ちゃんと仕事しましょう!という
「ちゃんと」はどのような意味なのか?
丁寧な言葉遣いの「丁寧」とは
何をもって丁寧なのか?
テキパキ動くの「テキパキ」とは
どんな状態なのか?
その言葉の意味を明確にすることで、
院長が求める行動ができるようになります。
もし、あなたの院で
離職が多いと感じている場合は、
一度
- 院内の用語は統一されているのか?
- 言葉の意味を明確にしているのか?
を考えてみてください。
それだけで離職は減る可能性があります。