患者さんの話を聞きすぎて
予約時間をオーバーしてしまって
院長に怒られる。
同僚の話を終わらせられず、
いつも帰る時間が遅くなる。
話を聞いているだけなのに、
疲れ切ってしまう…。
あなたは人の話を聞くのが上手。
だからこそ、
同僚や患者さんから
次々と悩みを打ち明けられる日々。
気づけば定時を過ぎても誰かの話を聞き、
帰宅後も
「もっと良いアドバイスができれば…」
と考え込んでしまい、疲れ切っていませんか?
実はこの『聞きすぎ』が、
あなたのエネルギーを著しく消耗させる
原因になっているかもしれないのです。
本記事では、相手に寄り添いながらも自分を守る
「境界線の引き方」と「共感と同調の違い」
を解説します。
たったひとつの言葉の選び方を変えるだけで、
相手との関係性を保ちながらも、
自分の心のゆとりを取り戻せる方法を
お伝えします。
優しさは大切にしながら、
疲れない距離感を手に入れましょう。
業務と関係ない相手の悩みを解決する必要はない
話を聞きすぎてしまう人の多くは、
相手の話を自分ごとのように考えて
「なんとしてあげないと!」
と考えてしまいます。
そのため、
解決できるまで一緒に時間を費やし
話を聞き続けてしまうのです。
それ自体は
間違ったことではありませんが、
『仕事』としては不要な場合も… 。
たとえば患者さんから、
「娘の帰りがいつも遅いんだけど、
どうすれば早く帰るようになる?」
という話をされているとします。
話を聞くことは悪いことではありませんが、
その問題を解決するのは
あなたの仕事ではありませんよね?
同僚のプライベートの悩みも、
その悩みを解決することは
あなたの仕事での役割とは関係ないはずです。
つまり、
あなた自身が自分の仕事の役割を明確にし、
「ここまでが仕事」
「ここからは仕事ではない」
と境界線を引くことが重要なのです。
『仕事』の境界線があいまいだと、
背負う必要がない責任を背負い、
あなたがやるべき『仕事』以外に
労力や時間を使って疲れてしまう…という結果に。
さらに、よい解決方法が見つからなければ
「役に立てなかった」と落ち込んだり、
「話を聞いてくれる」と相手に依存されて
しまったりするのです。
相手との距離感を保ちながら話を聞く方法
境界線を保って話を聞くために
気をつけたいのは、
「相手の感情を背負わない」ということです。
相手の気持ちを尊重し共感することと、
相手の感情に同調して
責任をあなたが負うことは違います。
- 共感
他者と喜怒哀楽の感情を共有する - 同調
相手に調子を合わせ、相手と同じ意見や態度になる
相手の問題はあなたが解決するのではなく、
本人が解決するものです。
境界線を保つ『共感術』
「どうすればいいですか?」と質問されたら、
「私だったら〇〇と考えるので〇〇しますね」
と主語に私を持ってくることで
相手との責任の境界線を明確にできます。
「自分だったらこうしますが、
あなたはあなたの考えで
自分で決めてくださいね。」
とあくまで自分で決めてもらうのです。
具体例
うちの旦那って何度言っても片付けもしないし 本当にイライラしちゃう! | |
---|---|
同調 | 共感 |
わかります! イライラ しますよね! | イライラ したんですね。 わかってもらえないのは辛いですよね。 |
相手に同調すればするほど
相手は「この人は自分の味方だ!」
と感じて、喋り続けてしまいます。
相手の話を聞くときには
同調するばかりではなく、
共感することが大事なのです。
おわりに
大事なのは、相手とうまく距離を取り
共感と同調を明確に区別すること。
そうすることで、
相手の気持ちに寄り添いながら、
相手の感情の責任までは負わないですみます。
共感術を身につけることで、
相手の顔色を伺うことなく
話を切り上げられるようになりますよ。