世の中に歯科衛生士はいないのか!?
人材を1人雇うのも厳しい昨今。
採用の募集を出し続けてもうまく人が集まらず、困り果ててしまった…という院長先生も、少なくないのではないでしょうか。
冒頭の一言は、今回インタビューさせていただいた「ばんの歯科」の坂野先生が、常勤の歯科衛生士募集を続けるなかで感じたリアルな想いです。
訪問診療に力を入れているばんの歯科では、ハノワのパートナー歯科衛生士に同行してもらうことで既存スタッフの負担が減ったのだそうです。
さらに医院全体にプラスの効果が現れ始めたと、笑顔でお話ししてくださいました。
インタビューでは“歯科業界でのハノワの可能性”についても言及してくださった坂野先生。
自院のことだけでなく、歯科業界全体を良くしていきたいとの想いが強く伝わってくるインタビューでした。
人員不足で悩んでいる院長先生はもちろん、医院や診療の在り方について悩んでいる院長先生にとっても、何か響くものがあるのではないかと思います。
ぜひ最後までお読みください。
動画も配信しています
「患者さんが健康でいられるために、自分には何ができるのか?」を常に考え続けている坂野先生。
地域密着を大切にしながら、学び続けることを止めない坂野先生の歯科業界への想いやお人柄が伝わるインタビュー動画です。
ぜひ記事と合わせてご覧いただけますと幸いです。
院長先生プロフィール
坂野 晃 先生
ばんの歯科(愛知県名古屋市東区)院長
患者様の「未病」にいち早く気づき健康を守ることを目標に、地域に根差した診療を40年以上にわたって続けている。口腔内だけでなく全身の健康を考えた診療姿勢が、乳幼児からお年寄りまで幅広い世代の方からの信頼を集める。また、自院で認知症カフェを開くなど、地域密着の歯科医院として地域の方のために何ができるかを日々模索し続けている。
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■ 経歴
1979年 松本歯科大学卒業
1979年 名古屋市北区石田歯科医院勤務
1982年 ばんの歯科開業
1999年 学位取得 博士号(歯科)
■ 所属学会・勉強会など
丸茂研修会
歯科衛生士&動画編集者のわだやんです!
『常勤の歯科衛生士』という働き方に息苦しさを感じていたところにハノワと出会い、ハノワでの勤務を通して、「こんな働き方もあっていいんだ!」「様々な働き方の選択肢があるんだ!」と心が救われました。
- 「歯科衛生士だから、ひとつの医院で長く働かなければいけない」と自分を縛らずに、もっと“自分らしい人生”を叶える人を増やしたい。
- ハノワを通して自己実現に近づく歯科医療従事者のリアルな声を、1人でも多くの人に届けたい。
そんな想いでインタビュー&動画制作に取り組んでいます!
ばんの歯科について
最初に、ばんの歯科の理念やコンセプトをお伺いできますでしょうか。
「医療は思いやりの実践である」をモットーに、思いやりを持って患者さんに接することを大切にしています。
若い頃は自分でなんでもやりたいと思っていましたが、専門性の高い先生を紹介するのは患者さんにとって有利なことだと思うんですよ。
なので今は、全部自分で抱えるのではなく、最適な先生を紹介することもあります。
また、歯科医院に来ている患者さんは口のトラブルで来ているけれど、口以外の困りごともあるはずなんですよ。
そういうのも、分かることは解消してあげたいと思っています。それが、結局は口の中の治療にも役立つ、という場合もありますから。
必要であれば紹介状を書いて、他の病院を紹介することもありますね。
そんなふうに、1人ひとりの患者さんと向き合いながら地域に根差してやっていくことが、うちのような地域密着型の歯科医院の役割なんじゃないかなと感じています。
ホームページの坂野先生のプロフィールに『正しいと思って続けてきた歯科治療に疑問を抱いた』といった内容があったのですが、詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。
40歳を過ぎた頃、これまで信じて続けてきた治療をもってしても、すべての患者さんを治すことはできないという事実に気づき、歯科医療に絶望してしまった時期があったんです。
そんなとき、当時日本歯科大学病院顎関節症診療センターでセンター長をされていた丸茂義二先生の研修で真実を教わったことで、今までの考えが見事にボロボロに壊されて…
咬合を徹底的に教わるなかで『この道は1から積み上げないとダメだ』と思い、他の分野は他の先生に任せて、自分はこの道でいこうと決めたんですよ。
丸茂先生には今でも教わっていて、今は子どもの発達障害に対して歯科ができることについても学んでいます。
研修をきっかけに歯科治療への考え方が180度変わったわけですが、今はめちゃくちゃ診療が楽しいんです!
転機だったのですね。
ばんの歯科では「認知症カフェ」を開催されているとお伺いしたのですが、具体的にどういった取り組みなのですか?
認知症カフェは、認知症に関心のある人たちが気軽に集まって仲間づくりや情報交換を行う拠点のことで、地域包括支援センターと介護施設と一緒になって取り組んでいます。
参考:認知症カフェとは
名古屋の東区は、認知症カフェを開催してるところが他と比べて極端に少ないみたいなんですよね。
だったら「診療室も広いし、うちでやろう!」ってことで始めました。
民生委員の方も「ここへ来ると1人暮らしの人たちが集まっているから話ができる」と喜んでくださっているみたいです。
認知症カフェを医療機関でやっているところは珍しいみたいですが、歯科医院として地域のために何ができるかをずっと考えながらやってきた私にとっては、ちょうど良い場になっているなと感じています。
ハノワを使おうと思った理由
ハノワはどのようなタイミングで使おうと思われたのですか?
常勤の歯科衛生士の採用ができなくて困っていたときに、外部から来てくれているスタッフにその話をしたんですよ。
そのときに「ハノワっていうのがあって、煩わしい人間関係がなくて楽に働けるって友達の間でも評判なんですよ」と紹介してもらったのが最初でした。
そうだったんですね。
事実、採用が難しいというのは多くの院長先生がおっしゃっていますね。
当時はどこへ募集を出してもまったく返答がなく『世の中に歯科衛生士はいないんじゃないか』と思ってしまうほどでした(笑)
人数が足りなくても、診療はやっていかなくてはいけないですから。
既存のスタッフたちにかかる負担をなんとかしてあげたくて、いろいろ模索していました。
ハノワのパートナー歯科衛生士さんに来てもらえるようになってからは、既存のスタッフたちも随分楽になったと思うのでめちゃくちゃ助かっていますよ!
ハノワの活用方法
現在ハノワをどのように活用されているか教えてください。
うちは午後からグループホームや特別養護老人ホームへ訪問診療に出ることが多いので、ハノワのパートナー歯科衛生士さんに一緒に来てもらっています。
特に配慮が必要な重度の患者さんがいる施設に伺う際は人員が多い方が良いので、“+1人”といった感じでお願いすることが多いですね。
訪問診療では、ハノワの歯科衛生士に具体的にどのような業務をお願いされているのですか?
口腔ケアがメインです。
訪問診療に行って歯を抜いたり削ったりというのは危険でやめた方が良いと思っているので、プロの口腔ケアや口腔内を綺麗にすることの大切さを施設の方に伝えて、入居者さんの状況を良くしていきたいと考えています。
実際、最初見たときに「うわ、大変!」と思った方でも、しばらく経つと見違えるように綺麗になっていることはよくあるんですよ。
派手さはないですが、地道に口腔ケアをやっていくことの大切さを日々実感しています。
ハノワのパートナー歯科衛生士さんと訪問診療に行く際に、気をつけていらっしゃることはありますか?
ようすを見ていて心配だったら、横で見ているということですかね。
1人でもできそうな方であれば、どんどんやってもらいます。
訪問診療の口腔ケアって、歯科衛生士が1人でやるものではないんですよ。
もう1人が患者さんに「大丈夫ですよ」などと声をかけながら行うんです。ときには手を握ってあげたり。
そうすることで、徐々に状況が良くなっていくんですよね。
口腔内だけでなく、全身の健康状態を支えてあげられるような口腔ケアができれば良いなと思っています。
ハノワの魅力
ずばり、ハノワの魅力を教えてください。
①足りない部分をピンポイントで補ってもらえる
ハノワは、足りない部分を補うために募集を出しているのですが、高い確率で来てくれる人が見つかるので、すごく助かっています。
普通に募集を出したってなかなか人は来ないし、 費用だってものすごくかかりますしね。
働く前に紹介料をお支払いする必要はなく、実際に働いてもらった後に報酬と手数料などをお支払いするという点は、安心感があります。
まさにそこが、ハノワと通常採用との大きな違いですよね。
料金に関していいうと、1ヶ月分お支払いするときに「こんなに少なかった?」と感じることがあるんですよね。
追加で常勤スタッフを1人採用しても、全部が全部うまくいくわけではないので、自院の弱い部分にピンポイントでハノワのパートナーさんに入ってもらえるというのは、かなりありがたいなと感じています。
②医院全体の雰囲気が良くなる
ハノワを活用することで、医院全体の変化はありましたか?
やっぱり人が増えれば賑やかになって楽しいですよね。
既存のスタッフもホスピタリティがある子たちだから、ハノワのパートナー歯科衛生士が来るとさらに賑やかになります。
患者さんからも「いつも楽しそうだね」って言ってもらえています。
きっと患者さんたちもそんな雰囲気を見て、ほんわかしてくださっているんじゃないかと思うんです。
少ない人数で忙しそうにいるのを見て、患者さんから「大変そうだな」と思われても医院として良いことは何もないですからね。
ハノワを使って困ったこと
ハノワを利用されるなかで困ったな、と感じたことはありますか?
しばらく来てくれていた方が突然来なくなって、その後一切連絡がなかったときは少し心が傷つきました。
悪いところを言ってくれたら改善することもできますが、何の連絡もないまま突然来なくなってしまったら、「何が悪かったのかな?」と感じてしまいます。
あとは、ギリギリのキャンセルも辛いですね。真夜中にメッセージが来ても対処できないですし。
正直なエピソードをお話しいただきありがとうございます。
直前キャンセルやペナルティ回数は、パートナーのプロフィールに記載されるようになっているので、そちらも参考にしていただけますと幸いです。
ハノワ活用による自身の変化
ハノワを使う前と後で、先生ご自身の変化はありましたか?
ハノワを通して色々なパートナー歯科衛生士とお会いできたことで、もっとたくさんの歯科衛生士と会いたいなと感じるようになりました。
私は、うちに来てくれるパートナー歯科衛生士には今までの経験を言ってほしいと思っていて。
『良いところ・悪いところは素直に言ってね』と伝えているんです。
『他の歯科医院はここが良かったけど、ばんの歯科はそうでもないですね』といった感じではっきり言ってもらえると嬉しいですね。
逆にもしうちで良いところがあれば持って帰って、他の院長にも伝えてあげて欲しいんです。
そうすることで、歯科医院自体のレベルが上がっていくじゃないですか。
たしかにそうですね!
他の医院の情報ってかなり貴重ですし、なかなか体験しに行けないですもんね。
ハノワはこんな歯科医院にオススメ
坂野先生から見て、ハノワはどんな歯科医院におすすめしたいですか?
働く側も多様な働き方を求めてるし、雇用したらずっと生涯雇用っていうわけでもないので、先生たちもハノワを通じて色々な働き方をされている歯科衛生士を見た方が良いと思うんです。
歯科衛生士を雇用していない先生、反対に歯科衛生士が大勢いる先生を含め、すべての歯科医院が一度使ってみると良いと思います。
お金がもったいないからという考えが出るかとは思いますが、人を1人雇うのに紹介料だけで100万円ぐらいかかったり、3日で辞めちゃって大変だったり…というケースもあるんですよね。
そう思うと、ハノワでたくさんのパートナー歯科衛生士たちと会って話ができるっていうのは、すごくプラスだと思うんです。
今後のハノワ活用について
坂野先生は、今後ハノワをどのように使っていきたいですか?
訪問診療を手厚くしたいので、今まで通り訪問診療を中心にお願いしたいと思っています。
普段は診療室で健康な人を診ている歯科衛生士も、訪問診療で亡くなる寸前の人などいろんな人を診ることで感じるものがあるはずなんです。
その経験は、通常の診療室で行う診療にも必ずフィードバックされるので「さまざまな人たちの心を思うような診療」ができるようになってもらえたらなと思っています。
ハノワを通して多くの歯科衛生士さんに訪問診療を知ってほしい、とお考えなのですね。
そうですね。
もう1つは、発達障害の子どもたちに対して歯科にできる取り組みについても、より多くの方に知ってもらいたいです。
対処する方法を一緒に考えてもらえると、 きっと歯科のレベルはもっとずっと上がると思うんですよね。
ありがとうございます。
最後に、坂野先生ご自身のビジョンをお伺いできますか?
歯科医師人生もあとどれくらいあるか分かりませんので、自分が思い描く理想の歯科医院にしたいなと思っています。
スタッフや診療体制など、死ぬまで理想の歯科医院を目指していきたいなと思っています。
編集後記
インタビューのなかで『自分はスタッフに恵まれているから』とおっしゃっていた坂野先生。
ハノワを使い始めたきっかけも、仕事を円滑に回すためだけでなく、既存スタッフの負担を少しでも減らしてあげたいから…といった理由であったことが大変印象的でした。
そんな坂野先生だからこそ、ハノワのパートナー歯科衛生士のことを『外部の助っ人』と捉えるのではなく、一緒に治療をしていくチームの一員として意見を尊重し、学び合う関係性を大切にされているのだなと感じました。
日々の忙しさや課題に忙殺されて、自院の在り方について考えたり、スタッフの悩みに向き合う時間が疎かになってはいませんか?
もしハノワのパートナーが、“自院の強力なパートナー”になってくれたとしたら、一緒に何を叶えたいですか?
この記事が、そんな前向きな未来を考える小さなきっかけになれば嬉しいです。
※2023年9月インタビュー時点の情報です