欠員補充のため、常勤の歯科衛生士を募集しています。
こちらは、歯科衛生士の求人情報でよく目にする一文です。
一見すると何の問題もないように感じますが、今回インタビューした『富士見台さくら歯科』の院長、芳賀浩昭 先生は「欠員補充的な考え方をしていると、なかなか上手くいかないと気づいた」と話してくださいました。
過去の苦いご経験を糧にスタッフに対するマインドを変え、相手を思いやった試行錯誤を繰り返すうちに上手くいくケースが増えてきたという芳賀先生。
その多様な取り組みは『ハノワ歯科衛生士専用のマニュアル』作りにまで及んでいます。
芳賀先生はハノワのどこに魅力を感じ、どのように活用され、パートナー歯科衛生士との信頼関係を築いているのでしょうか。
今回の記事は、スタッフとのコミュニケーションや関係性の構築に悩む院長先生にも必見の内容となっております。ぜひ最後までお楽しみください。
動画も配信しています
動画では、芳賀先生の生のお声を聞いていただけます!
本記事の要点がわかりやすくまとまった内容となっていますので、お忙しい院長先生の “ながら時間” などに最適です。
院長先生プロフィール
芳賀 浩昭 先生
富士見台さくら歯科(東京都中野区)院長
宮城県仙台市出身。
大学院で学んだ歯科麻酔に加え、歯科治療に対して不安や恐怖心をもつ患者さんへ精神・心理学的な部分からアプローチを行ない、総合的にリラックスしてもらえる医療体制を整えている。
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■ 経歴
2001年3月 東京医科歯科大学歯学部卒業
2005年3月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修了
2005年4月〜 東京医科歯科大学歯学部附属病院/国立成育医療研究センター/医療法人社団明翔会いしかわ歯科医院 勤務
2019年10月 富士見台さくら歯科開業
■ 所属学会
中野区歯科医師会
東京都歯科医師会
日本歯科医師会
日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会
日本大学松戸歯学部
クラウンブリッジ補綴学・口腔インプラント学講座
BBDA
■ 資格
歯学博士
日本口腔インプラント学会認定
口腔インプラント専門医
日本顎咬合学会認定医
厚生労働省認定歯科臨床研修指導医
歯科衛生士&動画編集者のわだやんです!
『常勤の歯科衛生士』という働き方に息苦しさを感じていたところにハノワと出会い、ハノワでの勤務を通して、「こんな働き方もあっていいんだ!」「様々な働き方の選択肢があるんだ!」と心が救われました。
- 「歯科衛生士だから、ひとつの医院で長く働かなければいけない」と自分を縛らずに、もっと“自分らしい人生”を叶える人を増やしたい。
- ハノワを通して自己実現に近づく歯科医療従事者のリアルな声を、1人でも多くの人に届けたい。
そんな想いでインタビュー&動画制作に取り組んでいます!
富士見台さくら歯科について
まずはじめに、富士見台さくら歯科について教えていただけますか。
富士見台さくら歯科は、「患者様を自分の大切な家族・大切な人と思って接する」ということを一番のコンセプトにしています。
「自分の家族ならばしっかり治療するけれど、家族以外は手を抜く」という感覚で仕事をしたくないので、歯科医師になった時からずっと心がけていることです。
いらっしゃる患者様やスタッフ、そして取引先の方などに、自分の家族と同じように接していくというコンセプトで開院以来診療しており、おかげさまで私の考えに共感してくれるスタッフにも恵まれています。
そういったコンセプトや理念を医院に根付かせるために、心がけていらっしゃることはありますか?
まずは患者様に対して、最初にしっかり説明をする、接遇もきちんと行うということです。
そしてもう一つ大切に考えたのは、消毒・滅菌をきちんとしていくということでした。
たとえば基本セットにしても、タービンにしろ治療器具に使うものにしろ、自分の口に入れてもいいと思えるものを患者様に使用するという考えで、かなり細かくやっております。
そのおかげで患者様に安心して通っていただけているのではないかと思います。今回のコロナの状況でも大きな影響を受けずに済んだのは、開院当初から消毒・滅菌をしっかりやっていたことが大きかったんじゃないかなと思っています。
そういった患者様に対する思いが、現在の医院のあり方に繋がっているところなのでしょうか。
そうですね。やはり歯科治療に対して不安をお持ちの方、恐怖心をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
そこで、医学的な知識プラス精神的な部分からのアプローチも行って、総合的にリラックスして安心していただけるような医療体制を整えるというところにも力を入れています。
これは10年以上研究や研鑽を積んできているところで、スタッフとシェアしながら診療に活かしています。
ハノワを使おうと思ったきっかけ
ハノワを使おうと思ったきっかけはどういったことだったのでしょう?
4月に歯科衛生士を含めたスタッフが入れ替わりまして、新しいスタッフが入ってきたんです。同時期に、私が信頼を寄せるベテランの歯科衛生士が “おめでた” になりまして。
大変おめでたいことではあるものの、彼女に頼っていた部分が大きかったために、つわりで出勤できなくなった2か月間ほどは、急に歯科衛生士のマネジメントが難しくなってしまったんです。
歯科衛生士のアポイントがこなせないし、新しく入った歯科衛生士もまだ完全には馴染んでいないし……というところで、非常に困りました。
しかも、新しい人を採用するとしても、休職している歯科衛生士が2か月後には復帰できる目処が立っているので雇用できない、という状況です。
その時にたまたま届いたハノワのDMを見たのがきっかけで、ハノワを使ってみようと決めました。
ハノワのような新しいサービスを使われる際は、不安などありませんでしたか?
本当にマッチングできるのかな?と、半信半疑で心配でしたね。(笑)
でもハノワのホームページにある代表の新井さんのコメントを見て、お願いしようかなと思いました。
代表の新井が書いているnoteを読んでくださったのですね。
私も読んで、胸を打たれる部分や共感できる部分がありました。
そこに「起業家の経沢香保子さんに色々と教えていただいた」というエピソードがあったんです。
私も以前から経沢さんの本を読んだりしていて、すごく好きな女性経営者だったので、「この方のアイデアが入っているんだったら、ハノワはちゃんとしている会社なんだろうな」と思いました。
あの文章がなかったら、ハノワはちょっと怪しいんじゃないかなと思ったままだったでしょうね。(苦笑)
ハノワの魅力
実際にハノワを使ってみて、芳賀先生が魅力を感じるところはどこですか。
ハノワの良いところは3つあります。
① マッチングのしやすさ
一つは、思った以上にマッチングがしやすいところです。
初めに歯科衛生士さんを探した時は、当院の最寄り駅や住んでいる場所が近い人を——と思っていたんですが、近い場所よりも、電車で1時間くらいかかるとか、そういった人との方がマッチングが多くできるようになりました。
そういう意味でも、自分が考えている以上にマッチングしやすいなと思いました。
② 登録している歯科衛生士がプロフェッショナルである
二つ目は、登録している歯科衛生士さんが本当に真面目で、プロフェッショナルな方が多いところです。
皆さん仕事に対して真摯に取り組んでいらっしゃいます。
患者様とのコミュニケーションももちろんですが、当院のスタッフとのコミュニケーションにも気を遣ってくださったり、チームとして円滑に溶け込もうという姿勢を見せていただきました。
すごく驚いたと同時に、感動した部分です。
③ 歯科医院のスタッフも成長できる
三つ目は、ハノワの歯科衛生士さんが来ると、当院のスタッフが刺激を受けて成長できるところです。
たとえば、「ハノワの歯科衛生士さんが患者様に対してこういう説明(TBI)をしていた」とか、患者様のモチベーションを上げるためのアプローチをしているところを見ると、自分に足りないところや良いことを吸収して、学ぼうという姿勢が出てくるんですね。
こうやって、来てくださったハノワの歯科衛生士さんから学ぶことで、当院のスタッフも成長できています。
ハノワの活用方法
ここからは、ハノワの活用方法について教えていただけますか。
基本的に土曜日をメインにお願いしています。
土曜日はパートの歯科衛生士がお休みなので、そこのサポートをお願いしているケースが多いです。
コロナのワクチン接種が多い時期には、スタッフのワクチン接種日の翌日や翌々日にお願いをする、という使い方をさせてもらいました。
あとは、スタッフの有給休暇の予定がある程度決まっていれば、その日にお願いするとか、そういった形で使わせていただいております。
ワクチン接種の翌日の休みの補完っていうのは、とてもいい使い方ですね。ハノワはそういった使い方もできますね。
初めにお話いただいた、患者様をリラックスさせるというような理念について、ハノワの歯科衛生士にはどのようにご教示されるのでしょう?
これは、じつは内緒にしておこうと思っていたんですが、当院の場合は『ハノワの歯科衛生士専用のマニュアル』を完備しています。
当院の考え方や診療方針、ハノワの歯科衛生士さんにやっていただきたい業務内容、定期検診の手順、ユニットの準備、患者様の後片付けなどを簡潔にまとめたマニュアルがあるんです。
すごいですね!そのマニュアルは、勤務前にハノワの歯科衛生士へ渡されているのですか?
はい。
たとえば9時からの勤務予定であれば、8時半からの勤務にしていただいて、30分間は必ず打ち合わせするようにしています。
そこでこのマニュアルを使って、だいたい15分くらいで当院の方針・考え方をご説明して、残りの時間で担当してもらう患者様の情報共有という形にしています。
マニュアルを使った打ち合わせをするようになってから、皆さんとてもスムーズに勤務してくださいますし、歯科衛生士さんからは「マニュアルがすごく助かった」というお声もいただいています。
働く歯科衛生士側としても、歯科医院さんの方針を知ったり、患者様のことを予習できる時間があるっていうのは助かります。
やっぱり、みなさん初めは相当不安だと思うんですよね。ホームページを見ただけでは、どんな歯科医院なのかわからないじゃないですか。
なので、実際に当院へ来ていただいてから、どうやって馴染んで、当院のやり方を学んでいただこうか……と考えた時に、お伝えする内容を厳選して簡潔にまとめたものじゃないと、限られた30分では伝わらないだろうなと。
来てくださる歯科衛生士さんに安心していただきたい、スムーズに当院のやり方を学んでいただきたいという2点が目指しているポイントなので、これは今後も続けていきたいなと思っています。
ちなみに、歯科衛生士用のマニュアルは、芳賀先生ご自身で作成されているんですか?
はい、私が作っています。皆さんの声を活かしながら、日々バージョンアップしてより良いマニュアルにしているところです。
これからハノワを活用する院長先生へ
先ほども述べさせていただきましたが、マニュアル作りはハノワを利用される院長先生方にも真似していただきたいポイントです。
多分それをやってくださる歯科医院が増えた方が、ハノワの歯科衛生士さんもすごくやりやすいと思いますし、マッチングしやすくなると思うんですよね。
一度作成してしまえば、新しくマッチングする歯科衛生士さんが来てもスムーズに共有できますよね。
ハノワに登録したものの、どんな歯科医院かわからずに「ちょっと不安だからやっぱりやめようかな」と、二の足を踏んでしまう歯科衛生士さんもいらっしゃると思うんですよ。
でも、こういったマニュアルがあったり、歯科医院が受け入れる体制をしっかり整えていくことによってマッチング回数は増やせると考えています。
そうなれば、ハノワに登録する歯科衛生士さんも増えますし、歯科医院側としても、来てくれる歯科衛生士さんとのマッチングの確率が上がるので、お互いに良いと思うんですよね。
思いやりに溢れるお言葉をありがとうございます。
歯科医院を始めた頃、私はスタッフを『欠員補充』として考えていた部分がありました。人数不足だからスタッフを増やそう、とか。
でもそういう考え方をしていると、なかなか上手くいかないんだなって思い知る経験があったんです。
ですから、ハノワの歯科衛生士さんを探すときも『欠員補充』という目的ではなくて、「歯科医院をさらに発展させて良くしていくために、新しいパートナーを見つけに行く」という姿勢の方が良いんじゃないかと気づいて。
最近はそういったマインドに変わって、うまくいくケースが増えてきました。
ところで、ハノワの歯科衛生士に依頼する際、プロフィールのどんな部分をご覧になっていますか?
今までの簡単な略歴が載っていて、「歯科衛生士としてこういう歯科医療をしたい」っていう考えを書いてくださってる方だとすごくいいなと思いますね。
逆に2~3行ぐらいしか文章を書いていない方もいらっしゃるのですが、そういう方は「ただ登録してるだけなのかな」と思ってしまいます。
ちゃんとご自身で色々と考えて書いてくださったメッセージかどうか、というところを拝見していますね。
他には、メールの文面・書き方・マナーなど、そういったところでも、その方の社会人としての常識があるかどうか、考え方がどうなのか、というところを見たりしています。
社会人としての常識というところでしょうか。とても大事ですね。
今後のビジョン
今後、ハノワをどのように使っていきたいとお考えでしょうか。
今後ともハノワの歯科衛生士さんには、業務のサポートをしていただきながら、こちらもお手伝いしていきたいと思っています。
あとは、今後使っていくなかで、やはりある程度同じ方と繰り返しマッチングしていきたいとも思っています。
何回も一緒に仕事をすることで、お互いのことをよく理解できたり、その方も当院のやり方を理解してくださるようになるので、お互いよりスムーズになっていくと思うんです。そうすると、患者様との信頼関係もできてきますよね。
ですから、今後はそういったリピーターさんを増やしていきたいなという風に思っています。
たとえば「お気に入り」とか、そういった形でうまく登録できるようになればいいなと思いますね。
「お気に入り登録」は良いですね!貴重なご意見をありがとうございます。
編集後記
患者様とスタッフを幸せにするためには、まず自分自身が心身ともに健康で幸福であることが重要
こちらは、富士見台さくら歯科のホームページに載っている「(芳賀先生が)心がけていること」の言葉です。
芳賀先生は数年前まで、ご自身の心身をすり減らしながら「患者様のため・医院のため」にと、がむしゃらになって働いておられたそうです。でも、頑張れば頑張るほど心に余裕がなくなり、仕事もプライベートも悪循環に陥る——というジレンマに悩まれる日々。
そんなときに恩師からもらったアドバイスが好機となり、以後大切にしているのだと話してくださいました。
きっとそのご経験が、これほどまでに他者を思い量ることができる力量に繋がっていらっしゃるのでしょう。
たとえばスタッフの方々とのコミュニケーションにおいては、最近では交換日記のような『日報』を全員とやり取りする試みを進められているそうです。
ハノワの魅力の一番に「マッチングのしやすさ」を挙げてくださっている芳賀先生ですが、日頃からのこのようなお互いの幸せを考えた試行錯誤の積み重ねの成果として現れているようにも感じます。
単発のマッチングのみならず、継続的なリピーターの関係構築や『オメデトウ』制度の推進、他職種展開など、今後も登録くださっている歯科医院、歯科衛生士、ハノワの発展に繋がるサービスの向上を図ってまいります。