巷では “歯科医院あるある” などと噂されるほどの、有給休暇問題——。
「採用面接では有給休暇があると言われたけれど、実際は人手不足で言い出せる雰囲気じゃない…。」という歯科衛生士さんの声を耳にすることもしばしば。
院長先生の医院では、歯科衛生士のみなさんに有給休暇をとっていただけていますか?
今回インタビューに答えてくださった医療法人桜陽会『さくら歯科』の君山敬子先生は、年々患者さんが増えるために、歯科衛生士が有給を取ると1日のアポイントメントのやりくりが難しくなってしまう状況だったそうです。
そんなときにハノワと出会ったことでスタッフが有給を取れるようになり、今では毎月コンスタントに使ってくださっています。
君山先生はハノワをどのように活用され、どんな点にメリットを感じられているのでしょうか。
動画も配信しています
様々な質問にハキハキと答えてくださる君山先生。
動画では、温厚な雰囲気でありながらも、芯の通ったお人柄が伝わってきます。
「スタッフと接する上で心がけていること」など、記事ではご紹介できなかった内容も収録されていますので、ぜひご一緒にどうぞ!
院長先生プロフィール
君山 敬子 先生
医療法人桜陽会 さくら歯科(千葉県流山市)院長
札幌市出身。
「お友達の家に遊びに行くような感覚で来ていただける」をコンセプトに歯科医院を開業。常に患者さまと一緒に歯を守っていく意識を大切に、できるだけ歯を長持ちさせる診療を形にするため『予防専用ルーム』を設置している。
歯科衛生士&動画編集者のわだやんです!
『常勤の歯科衛生士』という働き方に息苦しさを感じていたところにハノワと出会い、ハノワでの勤務を通して、「こんな働き方もあっていいんだ!」「様々な働き方の選択肢があるんだ!」と心が救われました。
- 「歯科衛生士だから、ひとつの医院で長く働かなければいけない」と自分を縛らずに、もっと“自分らしい人生”を叶える人を増やしたい。
- ハノワを通して自己実現に近づく歯科医療従事者のリアルな声を、1人でも多くの人に届けたい。
そんな想いでインタビュー&動画制作に取り組んでいます!
さくら歯科医院について
まずはじめに、さくら歯科医院について教えていただけますでしょうか。
開業当初は、学生時代に学んだことや修行先の先生に教えていただいたことを誠実にやろう、地域に根付いた医療をしようという、ただそれだけの思いでした。
でも徐々に、「お友達の家に遊びに行くような感覚で来ていただける医院」というコンセプトがはっきりしてきました。
そのようなコンセプトにされたのはなぜですか?
「私は痛みのわかる歯医者なんです」とよくネタにするほど、私自身、幼い頃に歯の治療をたくさん受けてきました。
当時は、歯科に行く度に「なんで歯医者ってこんなに怖いイメージなんだろう」って思っていたので、歯科に行きやすい家族のような関係性や、お友だちの家へ行くように長くお付き合いできる運営を心掛けるようになりました。
では、ご自身が患者として嫌な思いをされた原体験があるからこそ、患者さんとしっかり向き合い、治療だけでなく予防の大切さも伝えていらっしゃるのですね。
そうですね、他の病気と違って歯科は非常に予防性の高い分野なので、予防することで守れる部分がたくさんあると感じています。
とにかく「予防に力を入れたい!」という想いは開業のときからありました。
なるほど。では『予防専用ルーム』は、予防に力を入れたいという想いを形にされたのですね。
そうなんです。
日々運営していく中で、私の理念に共感してくださる方々が予防のためにしっかり通ってくださるようになったんです。
年々、予防に来てくださる患者さんは減らず、当院のリコール率は開業当初からかなり高かったんですけれども、現在では90%以上あります。
患者さんは増え続け、3年ほどで予約が取れない状況になってしまいました。
なんとか「予防専用のお部屋を作りたい」と思い、事務長である主人と相談しながら、一念発起といいますか、一大決心で予防室を増設しました。
ハノワの活用方法
ハノワを利用しようと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。
当院では、常勤希望の歯科衛生士さんを募集していたのですが、ハノワを利用する前は、当院の空気感や雰囲気に合うかなぁ…と心配な方でも、「どうしても来てほしい」という気持ちが先走り、採用をしてしまっていました。
そのため、みんなの足並みが乱れることが何度かありました。
事務長である夫に「どうして心配に感じたにも関わらず、採用してしまったの?」って言われるほどです。
歯科衛生士不足で悩まれている院長先生は多い、という話はよく耳にします。
私としては「喉から手が出るほどというか、喉から手が出ちゃったんだよ!」っていう話をするんですけど(苦笑)、そのくらい歯科衛生士さんに来ていただきたいという状況になってしまってたんです。
ただ、やっぱりそういう違和感を感じたときは、労働条件や採用について色んなストレスを抱えて働くことになるため、お互いに頑張りすぎてしまう側面がありました。
その点、ハノワのパートナー歯科衛生士の場合は、医院の雰囲気に合うかどうか、実際に働いていただいて確認することができますね。
そうですね。
パートナー歯科衛生士さんだと、「今日だけ来てくれるから」と良い意味で割り切ることができますし、実際によく働いていただけるとすごくありがたいです。
さらに、長期的に来ていただきたいと思ったら改めてお願いすることができるので、お互いストレスが少ないと感じています。
ハノワを使うメリット
月に数回、ハノワをコンスタントに使ってくださっていますが、ハノワを使うメリットを教えていただけますか?
既存の歯科衛生士さんたちが、安心して有給休暇を取れるようになったことです。
当院はスタッフは多いんですけれども、ユニットの台数も多く常に稼働しています。
歯科衛生士が有給を取ると1日のアポイントメントのやりくりが難しくなってしまうので、パートナー歯科衛生士さんに来ていただくようにしています。
既存スタッフが休暇を取るときに、スポットで来てくれる歯科衛生士がいると安心ですね。
また、当院は外科の日・矯正の日を設けていて、その日は器具の消毒が慌しくなってしまったり、アシスタントがずっと張り付いていないといけない状況になってしまいます。
そういった日にも、パートナー歯科衛生士さんに助けていただくようご依頼しています。
パートナー歯科衛生士には、どういった業務をメインで依頼されていますか?
診療室側のサポートをしていただいています。
当院は2021年で開業して20周年になるため、予防専用ルームには10年以上にわたり、継続して来院してくださっている患者さまがたくさんいらっしゃいます。
担当の歯科衛生士さんが変わることに不安を覚える方もいらっしゃるので、パートナー歯科衛生士さんには診療室側をサポートをしていただくことが多いです。
業務を分担をすることで、患者さんにしっかりと向き合うことが可能になりますね。
あとは、マンパワーとして「このパートナー歯科衛生士さんが来てくださるのであれば、こういうアポイントを入れよう」という形で、ユニットが空いている時は歯科衛生士の業務を多めに入れたり、ちょっと複雑な診療をお願いしたりと、アポイントの調整もしています。
ハノワを使って変わったこと
では、ハノワを活用して変わった点はありますか?
ハノワのパートナー歯科衛生士さんと当院の歯科衛生士さん同士で、昼休みなどにいろんなお話をしているようです。
その話の中で、うちの歯科衛生士さんたちがやってきていることに「すごいですね」と言っていただいて自信になったと聞いています。
また、パートナー歯科衛生士さんの動き方や話を聞くことで、「自分たちはもっと何かできるんじゃないか、改善できるんじゃないか」という刺激は大いに受けています。
君山先生の医院は他院でやっていないこともされている印象があるので、パートナー歯科衛生士も刺激になっているんじゃないかなと思います。お互いに刺激になる部分があるって良いですね。
ハノワを使うときの留意点
ハノワは今までにない『スポット勤務』という働き方だと思うんですが、使う前に心配だったことはありますか?
そうですね、大きく分けると2点ありました。
まず、ハノワさんという会社が初めてだったこと、歯科衛生士さんには履歴書もお持ちいただかない、歯科衛生士免許も直接は拝見しないということで、「本当に信頼して良いのだろうか?」と思いました。
※歯科衛生士免許をアップロードしているパートナーには、お名前の横に「✔︎」のハノワ公認マークが記載されます
新しい会社やサービスを利用するときは不安になりますよね。
ただ、代表の新井さんに「大丈夫です」と言っていただいたり、細かいやり取りで安心感が得られたので、「それだったら、まずは来ていただこう。」と決断できました。
あとは、実際に来ていただくまでは、既存の歯科衛生士さんとの仕事のバランスや雰囲気がどうかな…と思っていました。
でも今来ていただいている方はとても一生懸命で、他のスタッフとも仲良く気持ちよくコミュニケーションを取ってくださるので、一緒に働いていて楽しいです。
それは嬉しいです。
ではもう1点、体験してみて困った点などはありましたでしょうか?
「この時間に来てほしい」という時に、対応いただけるパートナー歯科衛生士さんがいらっしゃらないこともありますので、そのための摺り合わせが当院と上手くいかない場面が時々あります。
子育て中のパートナー歯科衛生士さんでしたら、診療時間の最初から最後まで働いていただくことは難しいです。
そのような場合は、こちらが調整して来ていただく必要があるんだと感じています。
これからハノワを使う院長先生へ
これからハノワを使おうかなと迷っている先生や、採用面に課題を抱えている先生へ向けて、「こういう歯科医院にはおすすめです」と思われる場面を教えていただけますでしょうか。
そうですね、どの歯科医院にも私はおすすめできます。
院長先生はみなさん、タイトなスケジュールで診療を行っておられますよね。
たとえば、日々の診療の中で、ちょっといつもとは違う業務に携わりたい時に、スポットでハノワさんに来ていただくと良いのではないでしょうか。
その空いた時間で、資料作りや新人スタッフの教育にエネルギーを注ぐことができます。
ありがとうございます。
毎日の診療に追われてできていないことをする時間を確保するために、ハノワを活用することも可能ですね。
ところで、君山先生は、ハノワのパートナー歯科衛生士にはどのような印象をお持ちですか?
基本的にハノワに登録していらっしゃる歯科衛生士さんは、「色んな歯科医院で働こう」という前向きな姿勢の方が多い印象です。
教えてもらうのを待つ姿勢ではなくて、スポットだからこそ、その場で覚えてその場で活躍しようとしてくださるように感じます。
では、依頼する歯科衛生士を選ぶ際の基準などはありますか?
当院の場合は、まずは近隣の歯科衛生士さんを探します。
次にプロフィールの文章を見て、誠実に丁寧にご自身のことを書かれてる歯科衛生士さんを選ぶようにしています。
今後のビジョン
最後に、今後の医院のビジョンや君山先生のこれからやりたいことを教えていただけますでしょうか。
開業当初の私は、普通の保険医として診療ができれば良いと思っていましたが、毎日の診療を通して患者さんがニーズを伝えてくださったおかげで、高い技術やスキルを必要とする治療をがんばって学ぶことができたんですね。
開業してから20年経ち、当時の患者さんたちが少しずつ在宅になってきています。ですので私は、在宅になった患者さん方のもとに出向いて、最後まで医療を提供したいと思っています。
将来的には、マイナス1歳の栄養指導・口腔育成の教育から、最後は在宅の摂食嚥下・看取りのサポートまでしていけたらいいな、と夢を描いてます。
編集後記
誰かが見ているからではなく、自分の心に誠実・忠実に診療を行う
インタビューの最後に語ってくださった、君山先生の信念ともいえるこの言葉が印象的でした。
世の中を見渡したら、自分よりレベルの高い人はたくさんいる。そんな中で自分には何ができるだろう?と考えたところ、「精一杯、最善を尽くし続けることだ」と思われたそうです。
きっと、君山先生が率先してこの想いを体現されているからこそ、患者さんやスタッフの方々みんなが納得した診療や治療が実現でき、リコール率90%以上を保ち続けるという結果につながっているのではないでしょうか。
そんな君山先生に、納得してハノワを使っていただけていることは誇りであり、今後の励みにもなります。
「ハノワというシステムを使うことによって、眠っている歯科衛生士さんが「また仕事をしよう」という気持ちになってもらえたら良いな、と思っているんです。」
と伝えてくださった君山先生のご期待にも応えられるよう、ハノワはこれからも、歯科衛生士の採用にお悩みを抱える院長先生たちと、様々な事情で継続・復帰をためらう歯科衛生士さんとが、安心してマッチングできる場を提供し続けてまいります。