「1時間に3人クリーニング」はもう限界。歯科衛生士が感じる人手不足のリアル

  • また今日もアポが
    ぎゅうぎゅうに詰まってる
  • クリーニングを1時間に3人こなすのは、
    どう考えても困難では?
  • 残業代も出ないのに、
    なぜこれほど消耗しなければ
    ならないのだろう?

そう感じながらも、
患者さんの前では笑顔を保つ。

歯科衛生士という仕事の
「つらさ」の多くは、
こうした見えない部分に潜んでいます。

さらに苦しいのは、
その「つらさ」を誰にも打ち明けられない
環境ではないでしょうか。

「歯科衛生士なんだから当たり前」
「みんな頑張っているんだから」
という空気が、
声を上げることをためらわせています。

この記事では、
歯科医院の人手不足・業務過多という現実に
正面から向き合い、
今できること・今後の選択肢を

一緒に考えていきます

目次

「これは普通じゃないかもしれない」と気づくことが第一歩

「忙しいのが当たり前」
「体力勝負」
「文句を言わずに動く」

歯科業界には
このような独特の文化があります。

そうした空気の中にいると、
異常な状況が普通に見えてきます

でも、少し立ち止まって考えてみてください。

1時間に3人クリーニング。

口腔内のチェック、スケーリング、
ポリッシング、患者さんへの説明、
器具の洗浄と滅菌準備…

これらを単純計算で1人あたり20分でこなすのは
非常に困難です

やるべきことを短時間で済ませようとするあまり、
患者さんへの対応が
おろそかになってしまうかもしれません。

人手不足で仕事が大変だというのは
わがままではなく、
プロとしての正当な声なのです

人手不足が引き起こす『見えないコスト』

人手不足の問題は、
残業の発生につながるだけにとどまりません

身体へのダメージ

ハードスケジュールが続くと、
腱鞘炎・頸肩腕障害・腰痛など、
身体的な問題が生じやすくなります。

これらの問題はどんな仕事でも
起こる可能性はありますが、
1人の負担が大きくなると
そのリスクはさらに高まります

精神的な消耗

「また明日もあのアポ数をこなすのか」
というプレッシャーが毎日続くと、
仕事に対するモチベーションは
低下してしまいます。

体調が悪くても休めない、
子どもの急な発熱でも
早退することに罪悪感を覚える、
そもそも休むと言い出せない——

そうした状況は、
精神的に大きな負担となります。

離職につながる悪循環

人手が足りない

1人ひとりの負担が増える

消耗して辞める

さらに人手が足りなくなる

このループから抜け出せない歯科医院は、
構造的な問題を抱えている可能性があります。

「残業代が出ない」「休憩が削られる」は法的に問題がある可能性も

「混み具合によって休憩時間が削られる」
「残業代は出ないところ」
という声は、労働基準法の観点から見ても
問題がある可能性があります。

労働基準法では、
休憩時間は労働時間に応じて定められており
(6時間超で45分、8時間超で1時間)、
それを削られた場合は
賃金の支払い対象となりえます。
また、残業代の不払いは
労働基準法に抵触する可能性があります。
(参考:厚生労働省

「言っても変わらないから」と諦める前に、
タイムカード・シフト表・業務日誌などの
証拠を手元に残しておきましょう。

「有給が取れない」と、我慢しなくていい

有給休暇は法律上の権利です。

「人が足りないから」「忙しいから」
という理由で
取得を実質的に拒否することは、
法的に認められない場合があります

(使用者に認められるのは
時季の変更のみであり、
有給休暇そのものを消化させないことは
違法となります)。
(参考:厚生労働省

申請しづらい雰囲気があるなら、
まずは
「有給の残日数を確認する」
「有給取得しやすい時期を聞く」
といった小さな一歩から始めてみましょう。

それでも変わらない場合に選べる選択肢

声を上げても状況が改善されない歯科医院も、
残念ながら存在します。

そうした場合の選択肢をご紹介します。

① 労働基準監督署に相談する

  • 残業代の未払い
  • 有給の取得妨害
  • 休憩時間の不当な削減

などは、労働基準監督署に
相談・申告することができます。

匿名での相談も可能です。

② 働き方を比較して転職先を決める

次の職場を選ぶ際は、

  • 1日あたりのアポ数
  • 残業代の支払い有無
  • 有給取得のしやすさ

などを
面接時に確認しましょう。

こうした質問を
率直に受け入れてもらえる職場は、
風通しが良い証拠です。

③ 自分の働き方の軸を決める

  • 患者さん1人ひとりに
    丁寧なケアを届けたい
  • プライベートも大切にしたい
  • スキルアップできる環境で働きたい

など、
自分が何を優先したいかを整理しておくことで、
次の職場選びがより明確になります。

あなたの働く環境は、あなたが選んでいい

「どこも同じだから」
「贅沢を言ってはいけない」という気持ち、
よく理解できます。

でも今の歯科業界には、
歯科衛生士を大切にしようとしている
歯科医院も確実に存在します。

消耗しながら働き続けるよりも、
自分の健康とやりがいを守れる職場を選ぶほうが、
長くキャリアを続けるための正しい選択です

あなたに合った働き方ができる職場は、
必ずあります。

「今の状況は当たり前ではないかもしれない」
と気づくことから、一歩を踏み出してみましょう。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

シェアはここをタップ!
  • URLをコピーしました!
目次