HANOWAレター for DC 2023年9月号(vol.15)

HANOWAレター for DC 2023年9月号(vol.15)

こんにちは、HANOWAの新井です。
8月にご利用頂いた
全国337医院の皆さまありがとうございます!

このお手紙は
全国のHANOWAにご興味をお持ち頂いた
およそ2,000ほどの医院全てに
お送りしています。

滅菌やスタンダードプリコーションの
標準化への道のり

先月のHANOWAレター8月号で私は
「登録者の『質』問題」
というものを挙げました。

「パートナーの質が一定じゃない。
登録人材のランク制を導入した方が
良いのでは?」
とのご指摘を頂きます。

一方で歯科医院側の滅菌環境や、
残念ながら経営者のモラル、
労働基準法の遵守状況など、
こちらも本当に様々な報告があり、
むしろこちらの方が社会的な影響を考えたら
優先順位が高いかも知れません
という話でした。

少し今日はこの一部について。
「滅菌環境の正解とは?」というテーマです。

僕はcotenラジオの影響で
世界史が好きなのですが、
例えば過去の人類の過ちを、
今現代の価値観をもって我々が断罪することに
何の学びもなければ、
歴史を学ぶ意味もありません。

第二次大戦の頃の日本軍や、
原爆投下を決めた米国、
ナチスの台頭を許したドイツを、
今の現代の価値観で断罪したところで
仕方がありません。

我々にできることは、
そこに至った経緯を物語を通じて知り、
俯瞰して見て、
今を生きる自分たちも
同様の過ちを繰り返してはいないだろうかと、
より自らを知る為の道具として
活用することくらいでしょう。

今現代の公衆衛生観を持った我々が、
ゼンメルワイスを裁いたところで
意味がありません。

注射針を使い回してB型肝炎を拡大させた
当時の医師や看護師に
石を投げたところで意味がありません。

例えば、ほんの10年程前、
当時はまだ日本の歯科業界でも
ことさらタービンを丁寧に滅菌器に入れるような
文化や価値観のようなものは
一般的では無かったと聞きます
(地域差や環境差は多少あるかも知れません)。

これも同様に、
今の価値観で断罪することに
意味はないでしょう。

ここで人材紹介屋としての
僕の目から見た問題点は、
わずか10年少しの
院長先生たちのキャッチアップの遅れが、
一撃で今の20代の人たちを
歯科業界から見切りをつけさせるに
十分なインパクトを与えかねないということです。

それぐらい若い歯科医療従事者にとって、
拭い去ることが難しいほどの
嫌悪感や失望感を植え付ける可能性が
滅菌環境の不徹底にはあります。

それほど、業界から人材を退場させる
インパクトがある領域でありながら、
今ひとつピンときていない
50代60代の先生が大量にいらっしゃるようです。

また、僕の目から見ても、
滅菌や公衆衛生の観点は
新規指導や個別指導などで
タッチするものでもなく、
臨床技術のように競って高めあうような
類のものでも無さそうです。

公共性の高いジャンルであれば、
歯科医師会などが音頭を取れれば
良いのかも知れませんが、
加入率は世代や地域によっても差があり、
必ずしも公共性を担保できるのかも分かりません。

滅菌を頑張ったところで、
売上に直結するものでもなく、
厳しく取り締まる機関もない。

また、チェア1〜2台の小規模で
マイクロスタートした場合も、
少ない機材を毎回丁寧に滅菌器に入れるのか…
というお声も聞きます。

実際に
10年前20年前になされていたオペレーションを
断罪しても意味がありません。

しかし、具体的な事故でも起こらない限り、
進んで学び、変わろうとする
明確なインセンティブが無いというのも、
簡単には言い表せない問題だなと思います。

この辺り、何とかできないものかと思います。
機会があれば、
先生のご意見をお聞かせください。

株式会社HANOWA 代表取締役 新井翔平

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