子どもも少し大きくなり、生活も以前より落ち着いてきた。
「そろそろ仕事に戻ってみようかな」
そう思って、久しぶりに求人サイトを開く。
「歯科衛生士募集」「経験者歓迎」「ブランクOK」
条件を見て、「ここなら働けるかもしれない」と思う。
でも、応募ボタンを押せない。
最後に現場で働いたのは、もう何年も前。
今の器具や機材はどうなっているんだろう。
昔できていたことを、ちゃんとできるだろうか。
若いスタッフばかりだったらどうしよう。
「経験者なのに、こんなこともできないの?」
と思われたら嫌だな……。
そう考えているうちに、
「もう少し準備してからでいいか」と求人サイトを閉じる。
数週間経つと、また働きたくなって求人を見る。
でも、やっぱり応募できない。
そんなことを繰り返していませんか。
本当は働きたい。歯科の仕事も嫌いではない。
せっかく取った資格を、もう一度活かしたい。
それでも、いざ戻ることを考えると怖くなる。
その気持ちは、とても自然なものです。
ブランクからの復職が怖いのは『昔の自分』と比べてしまうから
新人なら「わかりません」と言えます。
でも、経験があると
「今さらできないとは言えない」
と感じてしまうものです。
ブランクからの復職が怖いのは、
仕事を忘れているからだけではありません。
「昔できていた自分」と比べられることが
怖いのではないでしょうか。
でも、仕事から離れていた時間があるのですから、
最初から以前と同じようにできないのは当たり前です。
昔と同じように働けない自分を、
恥ずかしいと思う必要はないのです。
働き方は『今の生活』を基準に選んでいい
以前働いていたころと今とでは、
生活そのものが変わっている方も多いはずです。
子育てがある。
家事がある。
親の介護がある。
体力も以前とは違う。
大切にしたい時間も変わった。
それなのに
「昔は週5日働けたから、今も週5日」
「昔は残業できたから、今できるはず」
と考えると、
復職する前からハードルが上がってしまいます。
基準にするのは、以前の自分ではなく現在の生活です。
たとえば、次のような働き方から始めてもいいのです。
- 週2日など、少ない日数から始める
- 短時間勤務から始める
- 経験のある業務から慣れていく
「準備が整ってから応募する」では、いつまでも応募できない
ブランクがある方ほど、
「もう少し勉強してから」
「自信がついてから」
と考えがちです。
でも現場の感覚は、
現場に戻らなければ取り戻せない部分も多くあります。
知識面の不安が大きい場合は、
地域の歯科衛生士会などが行っている
復職支援の研修やセミナーを、
応募と並行して活用するのもひとつの方法です。
「わからない」と言える歯科医院を選ぶ
求人を見ていると、
つい「こんな私でも採用してくれるかな」
という目線になりがちです。
でも、あなたも歯科医院を選んでいいのです。
ブランクがあると伝えたとき、
「最初は一緒に確認していきましょう」
と言ってくれる歯科医院なのか。
それとも「経験者ですよね?できますよね?」
というスタンスの歯科医院なのか。
復職に必要なのは、
仕事を完璧に思い出すことではなく、
「ここなら、わからないと言える」
「ここなら、少しずつ取り戻していける」
と思える環境を見つけることです。
見学や面接では、
次のような点を確認してみてください。
- ブランクのあるスタッフを受け入れた実績があるか
- 復職直後の指導や研修の流れはどうなっているか
- 勤務日数や時間を相談できるか
- わからないことを気軽に聞ける人がいるか
これまでの経験は、なくなっていない
ブランクがあっても、
これまでの経験がすべてなくなったわけではありません。
患者さんと関わってきた時間も、
身につけてきた知識も、
あなたのなかに残っています。
「昔の私に戻らなければ」
と思わなくて大丈夫です。
今のあなたに合う形で、
もう一度歯科医療の仕事とつながっていきましょう。





