歯科衛生士や歯科医療従事者の方は
「コミュニケーション能力が必要だ!」
とよく耳にすると思います。
患者さんの不安や負担を軽減させるためには
患者さんとコミュニケーションを
取ることが必要で、
それを歯科スタッフの皆さんにも
求めている先生も多いと思います。
歯科衛生士さんや歯科スタッフが必要な
コミュニケーション能力とは
どのようなことなのでしょう?
歯科医療従事者に求められる
コミュニケーション能力は、
実際には明確に定義されていない場合が多く、
「とにかく患者さんと笑顔で会話をすること」が
コミュニケーションだと思っている人も
いるのではないでしょうか。
しかし、コミュニケーションの本質は
トークスキルなどを鍛えればよい
といったものではないと感じています。
そこで、この記事では
「歯科医療従事者に必要な
コミュニケーションの本質とは何か?」
をお伝えしたいと思います。
コミュニケーションの意味とは?
コミュニケーションの言葉の意味を
調べてみると、以下のように書かれています。
コミュニケーションとは、社会生活を営む人間の間で行われる知覚や感情、思考の伝達。 あるいは単に、(生物学な)動物個体間での、身振りや音声、匂い等による情報の伝達。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
また、webilo辞書では
下記のように記されています。
コミュニケーション(communication)は英語の動詞 communicate に接尾辞を付けて名詞(抽象名詞)化した単語である。動詞 communicate は「(情報を)伝達する」という意味がある。語源はラテン語で「分かち合う」を意味する「communis」である。なお英語の common(共通する)なども同じ語源の単語である。
出典:webilo辞書
つまり、コミュニケーションの意味は、
「知覚や感情、思考などの情報を伝達し、
分かち合うこと」
となります。
一般的に言われている歯科衛生士、歯科医療従事者に必要なコミュニケーション能力とは?
- もっと聞きたい!と思わせる魅力的な話ができる
- 相手に共感することができる
- 的確な質問ができる
- 話をまとめることができる
- 人に好感を与えることができる
- 人を動かすことができる
など、
一般的なコミュニケーションでは
トークスキルなどに重きを置き、
テクニックとしては
「オウム返しをしましょう」
と言われていたりします。
なので、
コミュニケーション能力の研修では、
- 笑顔の練習
- 話し方の練習
などをする場合も多いと思います。
ですが、歯科衛生士さんを含め
歯科医療従事者の皆さんが必要な
コミュニケーションは、必ずしも
一般的に言われている
コミュニケーションではありません。
(私は話すことが苦手だから……)
と悩みを抱えている方もいますが、
ご安心ください。
歯科医療従事者に必要なコミュニケーション能力とは?
歯科医療従事者のコミュニケーションは
患者と仲良く話すことではありません。
これは、
予防処置で担当制で患者さんを持つ
歯科衛生士さんでも同様です。
では、
歯科医療従事者に必要なコミュニケーションは
なんでしょうか?
それは、
患者さんが話す言葉を「的確に聴くこと」です。
的確に聴くというのはどういうことかというと、
「共感的理解」をすることです。
共感的理解とは、
「相手そのものを理解すること」です。
相手そのものを理解するということは、
- 相手の話を
- 相手の立場に立って
- 相手の気持ちに共感しながら
- 理解しようとする
ということです。
コミュニケーションの言葉の意味は、
「知覚や感情、思考などの情報を伝達し、
分かち合うこと」
でした。
つまり、
患者さんの不安を分かち合い、
相手の気持ちに共感しながら
話を聴くことが最も必要で、
患者さんが心を開き、
本音を話してくれるきっかけになります。
患者さんが心を開くコミュニケーション3つのポイント
テクニックなどではなく、
患者さんが心を開いてくれる聴き方には
3つのポイントがあります。
- 相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。
- 相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。
- 聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくいときは分かりにくいことを伝え、真意を確認する。分からないことをそのままにしておくことはNGです。
このように、
「一生懸命話さなくては!」と考えるのではなく、
まずは患者さんの話を聴くことに
意識を向けてみてください。
そうすることで
患者さんの信頼を得ることができるでしょう。