毎日忙しい中でも、一生懸命仕事を覚えてきた。
最初はわからないことばかりで、
先輩についていくだけで精一杯だった。
それでも少しずつできることが増えて、
「今日は昨日よりうまくできた」
「この仕事、少しわかってきたかも」
そんなふうに思えるようになってきた。
そのころは、
忙しくても不思議と嫌ではなかったし
「今日もやり切った!」
という充実感が、どこかにあった。
でも最近は、少し違う。
仕事が終わって家に帰り、
とりあえずソファに座ったつもりが、
そのまま寝落ちしてしまう。
ふと目を覚ますと夜中の2時。
「あっ、メイクすら落としてなかった……」
重たい身体を起こして洗面所へ行く。
鏡を見ると、
そこには自分でも驚くくらい疲れた顔。
自分のケアをする時間もないほど
忙しい日々。
そしてついには、
仕事を辞めたいと思いはじめてしまう。
そんな「忙しいから仕事を辞めたい」
と思い始めた人に、
まず考えてほしいことがあります。
辞めたい理由は「忙しいから」?
転職を考えると、
「次はもう少し忙しくない歯科医院がいい」
と思うかもしれません。
もちろん、それもひとつの選択です。
身体を壊してまで働く必要はありません。
ただ、少しだけ考えてみてほしいんです。
働き始めた頃も、
忙しくありませんでしたか?
むしろ当時のほうが、
一つひとつの仕事に時間がかかり、
余裕なんてなかったかもしれません。
それでも、
今ほど辞めたいとは思っていなかった。
では、何が変わったのでしょうか。
もしかするとあなたがつらいのは、
忙しいことそのものではなく、
「この忙しさの先に何があるのか
わからなくなったこと」ではないでしょうか。
がんばれば仕事を覚えられた。
できることが増えた。
患者さんから感謝された。
以前は、
忙しさの先に小さな達成感があった。
でも仕事に慣れてくると、
毎日やることは同じ。
患者さんを診て、片づけて、
次の患者さんを迎えて。
気づけば一日が終わる。
がんばっても、明日も同じ。
来月も同じ。
一年後も、このままなのかな。
そう思い始めたとき、
今まで耐えられていた忙しさが、
急につらくなることがあります。
人は忙しさだけでは疲れません
忙しくても、
- もっとできるようになりたい
- 患者さんの役に立てている
- この経験が将来につながっている
と思えているとき、
人は案外がんばれるものです。
反対に、
- 何のためにがんばっているのかわからない
- がんばった先の自分が想像できない
- ただ今日を終わらせるためだけに働いている
そんな状態になると、
同じ忙しさでも一気に気持ちが重くなり、
疲れを感じてしまいます。
これこそが、
本当に向き合うべき困りごと
なのかもしれません。
次の職場選びで必要なのは『暇な歯科医院』ではない
次の職場選びで見るべきなのは、
忙しさだけではありません。
- この歯科医院で働くことで、
どんな経験ができるのか - 数年後の自分が成長できているのを
イメージできるか - 患者さんとどんな関わり方ができるのか
- 仕事以外の生活も大切にできるのか
- 自分が大切にしたいものと、
歯科医院の働き方が合っているのか
そこまで見たほうがいいのです。
忙しい職場でも、
自分が納得して働ける場所はあります。
反対に、いくら暇でも、
「私はここで何をしているんだろう」
と思いながら働く職場は、
それはそれでつらいものです。
だから、
「もう忙しい職場は嫌だ」
という理由だけで次を決めなくてもいいんです。
あなたが本当に探したいのは、
忙しくない場所ではなく、
自分ががんばる理由を持てる場所なのかもしれません。
今の歯科医院を辞めるかどうかを考える前に、
「私は何のためならがんばれるんだろう?」
という点を、自分に問いかけてみてください。
その答えが、
次の職場を選ぶ本当の基準になるはずです。





