歯科衛生士は患者さんとどこまでコミュニケーションをとったらいいのか?コミュニケーションの本質とは?

歯科衛生士は患者さんとどこまでコミュニケーションをとったらいいのか?コミュニケーションの本質とは?

患者さんと話すのが苦手で、「コミュニケーションを取らないといけない!」と言われているのですがうまく話せません。毎日(何か話をしないと…!)と思って空回りしてしまいます。

というご相談を
昔、受けたことがあります。

歯科衛生士は患者さんとの
コミュニケーションをとった方がいい
とされていますが、
患者さんと
プライベートな会話をしたらいいのか、
密なコミュニケーションを
取らないといけないのか……。

「会話して治療の不安を取り除いた方がいい」
とも言われたりしています。

歯科衛生士は歯科医院の顔でもあり、
患者さんと接する時間が一番長いので
コミュニケーションは必要になります。

ですが、
「コミュニケーション=患者と仲良くなる」
というわけではありません

なかには勘違いして
患者さんとの距離感を近くすることを
ヨシとする場合もあるようです。

そこで、今回は
患者さんとどこまで
コミュニケーションをとったらいいのか?

適切な距離感の話をしたいと思います。

目次

コミュニケーションの意味を間違っている人が多い

これは歯科衛生士だけではなく
様々な対面での業種の方にも言えるのですが、

コミュニケーションの意味を
「患者(お客)と仲良くなる」ためにすること
と認識しています。

例えば、

  • 休日は何されているのですか?
  • お仕事は何しているのですか?

など、治療と関係ない
プライベートの会話をしないといけない
と思っていたりします。

「不安をなくすためにしている」
という声もあるのですが、
患者さんからすれば
どんな治療でどのようになるのかが不安
なわけですから、
プライベートの会話は関係ないはずです。

最近では、
会話自体をしたくないと言う人も多く、
美容室などでは

シャンプー中に話しかけられても、タオルが顔にかかっているし喋られないのに一方的に話をされて疲れる……。

という不満につながるケースもあります。

さらに服屋などでは、
聞いてもいないのにいきなり親しげに
「お前誰やねん」という会話が始まるのも
不快に感じる人が多い
と思います。

これはコミュニケーションの定義が
患者(お客)側とズレているから起こる
ことです。

患者さんとのコミュニケーションをとる意味とは?

院長の方針によって異なると思いますが、
コミュニケーションをとる意味を
明確に定義していないこと
が、一番
歯科衛生士さんを悩ませることに
なっているのではないかと思います。

コミュニケーションとは、
「意思の疎通」をすること
です。

一方通行でなく双方向で意思が伝わること
という意味が本来の意味です。

この意味から考えていくと、
歯科衛生士側のコミュニケーションは
どんな治療方針なのかわかりやすく伝えることです。

そして、患者さんの意思の確認をし
納得して治療を受けてもらうこと。

つまり、患者さんの治療に関する
不安や不満などを的確に「聞く」力が
歯科衛生士に求められるコミュニケーションになる
と思います。

患者さんとどんなコミュニケーションを取ればいいのか?

コミュニケーションの本質は、
本来は「聞く」ことにあります。

聞くと言っても、
プライベートな会話ではなく
治療に関する問題に対してです。

ここから、心理学でも基本的な話ですが
対面業の人には大切な話になるので
覚えてほしいなと思います。

  1. 患者さんの話を正確に聞くこと、聞けることは積極的関心に繋がり、患者さんが一番言いたかったこと、問題にしたかった こと、理解して欲しかったことはなにか?
  2. それを患者さんはどんな気持ちで、どんな背景から、 言っているのか?的確に、深く理解することです。
  3. その上で、「そうです。その通り」と患者さんが思わず反応する適切で配慮のある応答をすることが本当の意味でのコミュニケーションにつながります。

この応答のコミュニケーションをする為には、
当然ですが歯科衛生士としての知識や
スキルがある方のほうが
適切な対応ができるでしょうし、
的確なコミュニケーションが取れるため、
会話をわざわざ盛り上げて
親密になっている感覚にさせる必要は
ありません。

歯科医院はあくまで
患者さんの治療を目的としているのですから、
患者さんの顔色を伺う必要もないですし、
女性としての武器を使わせるような
コミュニケーションは不要です。
(それが患者のセクハラ行為を助長させます)

歯科衛生士の価値向上を考えた時に、
風俗のような感覚でくる患者は不要だと思います。

歯科衛生士をそのような目でみられてしまうのは
残念なことですし、すでにそのような価値観は
時代錯誤でもあります。

本当の親密さのコミュニケーションとは
患者さんの不安、不満を解消できる意思疎通ができること

ではないかと思います。

「患者さんと話すのが苦手だ!」
という衛生士さんも多いです。

ですが、患者さんと仲良くなるために
話題を考える必要はありません。

歯科医院は患者さんの歯の治療、
歯の健康についての価値提供をする場

なのですから、
その際の不安・不満への理解を
しっかりするだけで
コミュニケーションは取れているのです。

上記の3つの
コミュニケーションを取ることができれば
患者さんは満足してくれるので、
近すぎず、遠すぎず
適切な距離感をたもつことができます。

歯科衛生士は患者さんとどこまでコミュニケーションをとったらいいのか?コミュニケーションの本質とは?

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