「忙しいからあとで」が積み重なる職場で起きること

歯科医院で働くなかで、
「忙しいからあとでね」
と言ってしまうことはありませんか?

毎日予約の患者さんが次々と来院し、
急患が入ることもある。

スタッフ全員が
慌ただしく動き回っている状態が続くと、
後輩スタッフから質問をされても
「今は手が離せないから、
あとで説明するね」
と伝える場面も少なくありません。

その場では「忙しいから仕方ない」
と納得したとしても、
その「あとで」が何日も続いてしまったら
どうでしょうか。

実はこの何気ない一言が、
職場のコミュニケーションや人材育成に
少しずつ影響を与えることがある
のです。

目次

「聞けない」が当たり前になる

入職したばかりの人は、
仕事についてわからないことだらけです。

器具の名前や準備の流れ、
歯科医院ごとのルールなど、
覚えなければならないことはたくさんあります。

本来であれば、
その都度質問しながら
身につけていくのが理想です。

けれど、忙しさのあまり
「忙しいからあとで」とつい口にしていませんか?

その一言が続いてしまうと、
相手はやがて質問すること自体を
ためらうようになってしまいます。

「また忙しそうだからやめておこう。」

「こんなことを聞いたら迷惑かな。」

そう思わせてしまうと、
相手はわからないことを抱えたまま
仕事を進めることになりかねません

自己判断が増えると、小さなミスにつながる

質問できない状況になると、
人は自分なりに判断して行動しようとします。

もちろん、自分で考えることは大切です。

しかし歯科医療の現場では、
「たぶん合っている」が通用しない場面も
少なくありません。

器具の準備や患者さんへの対応、治療の流れなど、
ちょっとした認識の違いがミスにつながることもあるのです。

そして、そのミスをきっかけに
「やっぱり聞いておけばよかった」
と後悔することになります。

「なんで聞かなかったの?」とたずねても、
相手は「聞ける雰囲気じゃなかった」
という本音をなかなか言葉にできないことがあります。

こうして、お互いに悪気はないまま、
少しずつすれ違いが生まれてしまう
のです。

忙しいことは悪いことではありません

多くの患者さんから選ばれている歯科医院ほど、
毎日忙しくなるのは自然なことです。

問題なのは、忙しいことではなく、
コミュニケーションを後回しにする状態が
続いてしまうこと
です。

ほんの数分でも説明する時間があれば、
防げるミスがあります。

たとえば一言
「午後に時間をつくるね」
と伝えるだけで、相手は安心できます。

忙しいからこそ、
小さなコミュニケーションが大切
なのです。

教えることは、未来への投資

新人に仕事を教える時間は、
診療の手を止めることになります。

そのため、
「今は自分でやった方が早い」
と感じる場面もあるでしょう。

実際、その判断が正しいこともあります。

しかし教えることを後回しにしていると、
新人はいつまでたっても仕事を覚えられません

その結果、
「結局、自分でやった方が早い」
という状況から抜け出せなくなってしまうのです。

教える時間は一見すると、
効率が悪く見えるかもしれません。

しかし長い目で見れば、
あなたの働く歯科医院全体の

効率を高めるための投資
でもあります。

聞きやすい職場は、人が育ちやすい

質問することが『特別』ではない歯科医院は、
スタッフにとって働きやすい職場と言えます。

「今いいですか?」

「もちろん、大丈夫だよ。」

そんなやり取りが自然にできる職場では、
新人も安心して成長できます。

質問が多いことを
「できない人」と考えるのではなく、
「覚えようとしている証拠」
と受け止める文化がある歯科医院では、
スタッフも長く働きやすくなります。

反対に

「見て覚えて」

「前にも言ったよね」

という言葉が増えてしまうと、
次第に質問そのものが減ってしまいます。

その結果、
わからないことを抱えたまま仕事をする人が増え、
職場全体の負担にもつながっていきます。

声掛けで職場を変えていく

すべてをその場で教えることは
難しいかもしれません。

だからこそ、「あとで」を本当に
「あとで」にする工夫が大切です。

たとえば、
「昼休みに5分だけ確認しよう」
「診療後に一緒に振り返ろう」
と約束するだけでも違います。

質問する側も、
「あとで聞こう」と安心できます。

忙しい毎日の中で、
すぐに職場が変わることはないかもしれません。

それでも、小さな声掛けなど気遣いの積み重ねが、
質問しやすい雰囲気をつくり、
人が育つ職場につながっていきます

もし今、後輩スタッフが
「聞きたいことがあるのに聞けない」
と感じているとしたら、
日頃の関わり方や職場の空気が
影響している可能性もあります。

一度、自分自身の普段の声掛けや
接し方を振り返ってみてください。

働きやすい職場とは、
誰もが気兼ねなく学び、相談し、
成長できる場所です。

その雰囲気は、
日々の小さなコミュニケーションの積み重ねによって
育まれていくのだと思います。

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