後輩を叱ることが目的になっていませんか？歯科医療従事者の後輩を育てる指摘の仕方とは？

歯科医療の現場における離職の理由の多くは
人間関係と言われています。

中には先輩による後輩への指導が
離職につながるケースも。

毎日忙しい現場の中で後輩を育てるのは
大変なことです。

忙しさのあまり
ついキツい言い方をしてしまったり
理不尽に叱ってしまったことは
ありませんか？

そこで今回は、
部下指導の際に覚えておきたい
「後輩を育てる指摘の仕方」を
お伝えしたいと思います。

上手な叱り方、怒り方はありますか？

このような質問を受けることがあります。

しかしその前に考えるべきなのは
叱ることは、本当に必要な指導なのか？
ということです。

人間は家畜やペットなどとは違います。

「飴とムチ」という考え方は
知っていますか？

ダメなときは叱ったり叩いたりして、
良いときは褒めたりご褒美を与える
というものです。

この考え方を、
部下を教育するときに応用するのは
珍しいことではありません。

でも実際のところ
叱った人も、叱られた人も
気分は良くないですよね？

あなたにも経験があると思います。

どんなに素晴らしい内容で叱ったとしても、
受ける側が
聞いていて気分が悪いと感じていれば、
改善はされません。

叱るというのは、目的ではなく手段です。

できるように指導するのが目的なのに
いつの間にか
叱ることが目的になっていませんか？

だから
上手な叱り方はないか？
と考えてしまっているのです。

叱ることの本来の目的って何？

叱ることは手段です。

では、
叱ることの目的は何でしょうか？

それは、
できないことを
できるようにしてあげることです。

つまり
叱る必要はなく
できない理由を指摘し、
できるように指導すればいいのです。

部下を指導する立場のあなたは
上手な叱り方ではなく、
上手な指摘の仕方を知る必要があります。

部下を育てる上手な指摘とは？

部下が素直に話を聞いてくれるように
上手に指摘をするために必要なのは
「論理」です。

と思われてしまうのは
指摘が論理的ではないから
ではないでしょうか。

後輩ができるようになる論理的な指摘の仕方

後輩ができないことを論理的に指摘するためには
できない理由を知る必要があります。

• やってない、やる気がない
• やったけどできない、やる気はあるけどできない

このどちらなのかによって
指摘の仕方は変わってきます。

やる気がないからやっていない・仕事を覚えない、という場合

やらない理由は人それぞれですが
実際に口にしないとしても実は多いのが、
やる気がない・出ない
というものです。

仕事に対するモチベーションが低い後輩には
やる気を出させる指摘をする必要があります。

頭ごなしに叱ってしまうと
余計やる気をなくしてしまうので
やる気が出ない理由を見つけなければ
いけません。

指導する立場のあなたに必要なのは、
その原因が本人にあるのか、
それとも職場にあるのか
という点を見極めることなのです。

最初はやる気があったのに、
歯科医院の教育制度の問題で
やる気を無くしてしまった…
というケースは少なくありません。

この場合は

• 雇用条件を見直す
• 教育係に指導する
• 教育する仕組みを整える

など、
働いている人の士気が高まる環境を
歯科医院全体で作る必要があります。

それに対して
本人にそもそもやる気がなく、
先輩であるあなたの手に負えない場合には、
本人が信頼している院長や
他のスタッフと話をしてもらう
ことで、状況を改善できるかもしれません。

やる気はあるけれどできない・やったけどできない場合

この場合も感情的に叱るのではなく、
状況を判断して指導を進める必要があります。

• 教え方の問題
• やり方を聞いていない
• 作業量が多く手が回らない
• 経験が不足している

誰でも最初はうまくできないものなので、
なぜできないのかを分析し、
正しい指摘、指導を行うことが必要です。

時間がなければ、
作業量を減らせるように
分業の仕組みを院長にお願いしても良いでしょう。

重要なことは、
聞く人がその気になる
指摘の仕方をすることです。

• 相手の立場を考えて指導する
• 指摘や指導の内容が論理的であること

この２つが
人を育てるためには重要です。

叱る、怒るのではなく、
やる気になる指摘を意識していきましょう。